日本ミステリ

1.さよなら神様
2.満願
3.鳩の撃退法
4.ペテロの葬列
5.連城三紀彦レジェンド

海外ミステリ
1.秘密
2.その女アレックス
3.逃げる幻
4.もう年はとれない
5.窓辺の老人
6.推定無罪
7.ジュリアン・ウェルズの葬られた秘密

日本小説
1.離陸
2.アイネ・クライネ・ナハトムジーク
3.首折男のための協奏曲
4.横道世之介

海外小説(SF・ホラーを含む)
1・別荘
2.時は乱れて
3.NOS4A2-ノスフェラトゥ-
4.バラークシの記憶
5.パインズー美しい記憶

日本エッセイ&評論
1.紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている
2.ミロのヴィーナスはなぜ傑作なのか
3.殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
4.三谷幸喜のありふれた生活12

年間ベスト10
1.
別荘 (ロス・クラシコス)別荘 (ロス・クラシコス)
(2014/08/05)
ホセ ドノソ

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豊穣な物語世界に圧倒された。
子供たちを残して大人たちは一体どこに行った?
そして別荘に残された子供たちは一体どのように過ごした?
別格の面白さ。打ちのめされる、小説の持つ力に。

2.
秘密 上秘密 上
(2013/12/21)
ケイト・モートン

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秘密 下秘密 下
(2013/12/21)
ケイト・モートン

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この秘密って秘密って・・・・・・最後震えるほどの感動が待っている。

3.
さよなら神様さよなら神様
(2014/08/06)
麻耶 雄嵩

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最初の一行から衝撃。
そして最後までその衝撃はさめやらずの連作集。

4.
その女アレックス (文春文庫)その女アレックス (文春文庫)
(2014/09/02)
ピエール ルメートル

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自分の心が揺れるのがわかった、誰に肩入れしているかぶれる。

5.
紙つなげ!  彼らが本の紙を造っている紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている
(2014/06/20)
佐々 涼子

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電車内で読んでいて、涙が止まらず困った。
淡々とした記述が非常に好ましい(が、それだけに泣ける)

6.
鳩の撃退法 上鳩の撃退法 上
(2014/11/13)
佐藤 正午

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鳩の撃退法 下鳩の撃退法 下
(2014/11/13)
佐藤 正午

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来年のミステリのベストにこれが入ればいいと思う。
とてもいい作品だった。

7.
本棚探偵最後の挨拶本棚探偵最後の挨拶
(2014/04/16)
喜国 雅彦

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マニアックなんだけど、私でも届くマニアックっぷりが、読んでいて口の端っこで、くふっと笑いたくなる。

8.
満願満願
(2014/03/20)
米澤 穂信

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一皮二皮むけたな、という作者の短編集、どれも怖くて面白い。

9.
離陸離陸
(2014/09/11)
絲山 秋子

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この作者にまたこんな作品を書いて欲しいと思った。

10.
時は乱れて (ハヤカワ文庫SF)時は乱れて (ハヤカワ文庫SF)
(2014/01/10)
フィリップ・K. ディック

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久々のディック作品は呆れるほど面白い。

次点
首折り男のための協奏曲首折り男のための協奏曲
(2014/01/31)
伊坂 幸太郎

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永久に伊坂幸太郎にはついていく、うん。

逃げる幻 (創元推理文庫)逃げる幻 (創元推理文庫)
(2014/08/21)
ヘレン・マクロイ

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やっぱりマクロイだから巧い、冒頭から引き込まれる。

殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
(2013/12/18)
清水 潔

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読み手のあらゆる感情を引きずり出すノンフィクション。
物に触ってみて心がときめかなかったらその物は捨てる、
という片付け方法がはやっています。

本は触っただけではわかりませんが
『読んでみてときめく本』
というのは確実に私にとっては存在します。

そんな「2012年にときめいた本」をまとめてみました。
便宜上、分野別に分けていますが、またがってるものも多いと思うので、そこはご了解ください。

・・・・・・・・・・・・・・

ミステリ(日本)
1.ソロモンの偽証1~3(圧倒的な物語の面白さと子供達のけなげさで私はこれが一番でした)
2.64(僅差でこれを。過去の事件との繋がりがずうっとわからなかったのですが、それが開いた時に感動)
2.双頭のバビロン(ウィーンと上海とハリウッド。双子のめくるめく皆川ワールド全開)
4.カラマーゾフの妹(原作を知らなくても面白い、知っていたら更に面白い真相が!)
5.謎の謎その他の謎(リドルストーリーが好物なので、どれもこれも堪能)
6.黄色い水着の謎(大爆笑のクワコー、一生ついていこうと思いました)
7.ラバーソウル(ビートルズをモチーフに力強い作品)
8.キングを探せ(単純な交換殺人の話ね、ではありませんでした。真相にぎょ)
9.パラダイス・ロスト(あまりにスタイリッシュなスパイ像にくらくら)
10.夜の国のクーパー(ミステリ色強く読んだのですが、ラストで本当に驚いた!まさか!こんなことになってるとは!)
次点
強欲な羊(ラストに新人さんをプッシュしておきます、ホラー寄りミステリですが。来年の活躍を期待)

過去作品で初めて読んだミステリ作品
1.テロリストのパラソル(この時代性と美学。冒頭公園場面からノックアウトされました。)
1.黄昏のベルリン(読まなかった自分を責め続けたほどの傑作)
3.風少女(樋口有介をまとめて読んでいましたが、切なさと叙情でこれに。変奏曲なのね、このあたり全作品)
3.どこまでも殺されて(人称が問題。語りの巧さ、騙りの巧さの連城マジックが炸裂。すごく好き)
5.奇想、天を動かす(ありえないことが起こると言う不思議、その不思議の真相に驚愕)
6.占星術殺人事件(これは最初が読みがたい気もするけれど、そこさえ乗り越えればもう怒涛の展開)

ミステリアンソロジー国内
1.桜庭一樹選スペシャルブレンドミステリー(過去作品の選択眼が良く、どの作品もたとえ既読であれ楽しめました)
2.謎解きの醍醐味(鮎川哲也)どの作品もこれまた楽しめました。


ミステリ(海外)
1.夢の破片(モーラ・ジョス)過去作品だけれど、とても気に入ったので。レンデルのヴァイン名義作品を髣髴とさせるような夢物語の破綻が胸に迫りました。
1.破壊者(ミネット・ウォルターズ)もう何を書いても天才的に面白いと。
3.月に歪む夜(ヴァインを彷彿と帯に書いてあったこれもまた好きでした。青春物語から暗転、さて物語はどこに転がっていくのだろうか・・・どうしようもなくなった男女の繰り広げる若さと幼さがじわりときました)
4.わたしが眠りにつく前に(SJワトソン)映画のメメントを思い出し、こういう記憶のあいまいさの話が好物なんだなあと再認識しました。
5.検死審問インクエスト(パーシヴァル・ワイルド)最初この審問のやり方が飲み込めなかったのですが、一旦飲み込むとこの面白いことと言ったら!
6.青チョークの男
6.裏返しの男(フレッド・ヴァルガス)この二冊、二冊あわせて読むと、ある一つの愛がわかります。
8.バーニング・ワイヤー(ディーヴァーは安定路線で面白いし、これは過去作品との繋がりがあるので更に面白い)
(他に毒の目覚め、冬の灯台が語る時、アイ・コレクター、湿地、殺す鳥、などは読みましたが、心打ちぬかれ度はあと一歩。
また世間的に話題の『解錠師』は去年読んで非常に感銘を受けたので、去年のミステリ海外のトップになっていると思います。)

小説(日本)
1.ジェントルマン(昨年出た本なのですが、今年に入って読みました。一種のピカレスク小説ですがぐっと心をつかまれました)
2.楽園のカンヴァス(絵にさほど興味がない人でも否応なく興味を持つほどの面白さを持っている本)
3.迷宮(中村文則作品で好きなものの一つになりました。後書きに驚きましたが)
4.道化師の蝶(形を変えていく物語を楽しみました、円城さんの中で判りやすい方だと思いました)
5.紙の月(角田作品って安心して読める、どういうものであっても何か残るから。これもそう)

小説(海外)
1.夜毎に石の橋の下で(こんな前の作品なのに、幻想に満ち満ちていて、自分がプラハの街中を歩いているような気すらしてきます、それも恐ろしく薄暗い魔都を。夢と現実の交錯具合が非常に心地良い素晴らしい小説でした)
2.遊戯の終わり(コルタサルが文庫で続々読めることに感謝!)
3.継母礼讃(絵画があって、それにまつわる過去の話があって、そして現代の美しい継母と美しい義理の息子とのやり取りが実にエロティック。しかも父の様子は笑えるのです、なんとまあ・・・)
4.ブエノスアイレス食堂(これは前知識がゼロの方が絶対に楽しめる作品だと思います。一切を耳に入れないようにして最初から読んでいくと恐ろしいことが。非常に面白かったです)
5.アイルランド幻想(トレメイン作品で、幻想なんですが独特の幻想でありました。どの話も民話のような気持ちで読んでいくと、がん!とやられます。どの作品も隅から隅まで好きです)
6.カメラ・オブ・スクーラ(ナボコフ作品ですが、ロリータを読んでから、と言うのが基本のような気が。原型なので、原型はこうだったのか!という驚きが色々ありました)
7.ブラックアウト(コニー・ウィリスSFですが、まだまだ続くようなので、来年が楽しみです。これから読んでもなんら支障はないと思うものの、前作品を読んでいれば、あ、あの人が!とか、あの子が成長!とか楽しめるかも)
8.居心地の悪い部屋(こういう奇想系大好きです)
9.罪悪(やや、犯罪よりパワーダウンしたような気もするけれど、やっぱり面白い、シーラッハ作品。男子寄宿舎の話が印象的でした。)
10.ロスト・シティ・レディオ(ラジオ局に一人の少年が来るところから始まるのですが、これにサスペンスの匂いを非常に感じました。)
次点
遅い男(クッツェーのこれ、構造がとても面白く、可哀想な(本当に状況は可哀想なのですが)妄想爺さんのエロの視点と思っていたら・・・後半のある人登場にとても驚きました)

エッセイ・随筆
1.綾辻行人と有栖川有栖のミステリジョッキー(このシリーズがラストと思うと泣けてなりません・・続けてくださいませ・・・取り上げられている作品も美味なら、二人の会話もまた極上)
2.倉橋由美子(精選女性随筆)(こうしてみると、時代の先端を行っていたどころか、予言者でもあるなあ倉橋由美子、と改めて思いました)
3.村上朝日堂はいかにして鍛えられたか(朝日堂を読むとほこっとするのです、安心した我が家に帰ってきたように)
3.お友だちからお願いします(三浦しをん、最高。こちらこそお願いします、と言いたい)
5、21世紀SF1000 (大森さんにはいつも教えていただいてます、こういうところで。ありがとう)
6.謎の一セント硬貨(向井万起夫のエッセイってともかくも面白いのです。これもまたアメリカを知るよすがになりました)
7.熟成する物語たち(ワインについては普通知識なんですが、鴻巣さんの本の捉え方に共感を覚えました。)
8.三谷幸喜のありふれた生活(ありふれていながら、離婚の日々・・・人って色々変わっていくんだなあとこのエッセイを長年読んでいると思います)
9.美しい書物(栃折久美子)(なんて美しく品のある文章でしょう。装丁というのもまた別の気持ちで見ることが出来ます)
10.奇縁まんだら終わり(寂聴さんのこれも終わり・・・さみしいけれど、大切にしますこの本のシリーズ)

総合
1.夜毎に石の橋の下で
2.ソロモンの偽証
3.夢の破片
4.双頭のバビロン
5.遊戯の終わり
6.64
7.ジェントルマン
8.カラマーゾフの妹
9.倉橋由美子(精選女性随筆)
10.綾辻行人と有栖川有栖のミステリジョッキー
2011.12.31 2011年ベスト本
私事ではありますが、現在、日常雑事が非常に多忙なため
年間ベストを出すのが遅くなりました。
備忘録の意味を込めて、私の去年のベスト本を出してみました。

・分野別にとりあえずわけてみました。
・新刊だけではなく旧刊でも去年読んだ本、で心に残ったものは入れました。
・そうは言っても新刊中心にしようとはしました。
・落ちがあるかもしれないのでその時にはまた別の枠で追加をします。
・2011年は旧刊の新訳が多く(特にクイーンの悲劇4部作などの完結)、それも再読の枠で読んで非常に楽しんだのですが、極力、再読関係は入れないようにしました。

・素人の文章ですがそれなりに気を遣って書いているので、文章の無断転載をしないでください。

・全ての総合順位(海外日本を合わせて)は最後につけました。
12月末日分までです。



・・・・・・・・・・・・・・・

日本ミステリ
1.開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―(皆川博子)
(皆川博子健在なり!めくるめく謎とこの世界観に脱帽。暖炉の部分からぞくぞくします)

2.桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活(奥泉光)
(女子大生会話に涙が出るほど笑って、それでいて謎解きにもなるほどと納得。クワコーがいとおしい!読んだ人の合言葉はパンの耳)

3.ユリゴコロ(沼田まほかる)
(作者がずうっと好き。これからも多分好き。あるノートが恐怖のどん底に落としてくれて・・・。ただ、ラストはもっともっと鬼畜でいいかもというのが私の気持ち)

4.私たちが星座を盗んだ理由(北山猛邦)
(短篇集で、小品なのですがこの小粒感が好き。ファンタジックプラス厳しさの入った冷ややかさも感じました。最初の話の悪意にぞくっ。どの話も好みでした。特に表題作は良いかな)


5.ロートレック荘事件(筒井康隆)
(噂には聞いていたけれど、え!え!えーーーー!!まさかまさかまさか!)

6.鴬を呼ぶ少年(日下圭介)
(これ以降、日下圭介に大注目してます、遅ればせながら・・・・。入手困難が恨めしや・・)

7.七人の鬼ごっこ(三津田信三)
(懐かしい怖さ、といった感じの怖さ、でした)

8.消失グラデーション(長沢 樹)
(学園物なのでふんふんと楽しく読んでいたら・・・・ある部分で驚愕して本を落としそうに。これまた表紙が曲者!)

9.暗色コメディ(連城三紀彦)
(どこがどこに繋がるか、どこがどこにどうなるか。連城作品は全てが伏線のようなものなので、めくるめく面白さです。最初の部分で「もう一人の自分」と夫との寄り添いをデパートで見かける部分が秀逸なので、ここでがっちりハートをつかまれました。)

10.ロマンス(柳広司)
(華族話が好きな人間としてははずせないはずせない・・・謎は小さいのですが、文章と雰囲気(恋愛話とか)で読ませるのです)

日本一般
1.十蘭万華鏡(久生十蘭)
(言うことなしの傑作群、よくぞこれだけ書いたものだし、よくぞ出版社がこうして纏めてくださったと思いました、多謝)

2.夢違(恩田陸)
(帰ってきた恩田陸!集団睡眠、パニック、幻聴幻視、幽霊、伝説、これらを巧みに取り入れながら思い切り怖い小説を作ってくれました。夢札を引くという特殊世界の構築も楽しく読みました)

3.人質の朗読会(小川洋子)
(上手いなあ・・・・小川洋子。最初のところで人質がどうなったかというのが書かれているので、それぞれの物語を読む時読者はそれを念頭に読むことになります、そしてそれぞれの物語のラストの一行がきいてました。)

4.四畳半王国見聞録(森見登美彦)
(飛びぬけて面白いと思いました、そして森見作品を読み続けてきた人には更に面白さが味わえると。四畳半から世界へ、世界から四畳半への収束具合がたまりませんでした。あとキャラクター設定、飛び交う妄想も読んでいると実に楽しいかも)

5.ピエタ(大島真寿美)
(この話を読んで心がきれいになった浄化された気持ちになりました。一枚の楽譜の謎、ヴィバルディ、合唱・・・・大島真寿美の一つの到達点だと思います)

5.偉大なるしゅららぼん(万城目学)
(偉大なる馬鹿小説(褒めです)。人を食ったほら話で大爆笑の連続。赤いガクランとか学園生活とか馬鹿っぽさに幻惑されますが、「異能の者」小説でもあって実に好みでありました。しゅららぼーん)

7.白桃(野呂邦暢)
(白桃の一枚の写真のような家族の切り取り、また未読だった長崎関連の話も非常に読ませました。野呂さんって強靭な文学魂そのものを感じる人です。)

8.オーダーメイド殺人クラブ(辻村深月)
(辻村作品の学生を見ていると心のどこかがうずくのです。こういうこと自分の時にも形が違ってあったなあという思いがひしひしとします。学生時代の痛み、強烈な自意識、が作者の瑞々しい感性と一緒に伝わってくるのです)

9.ラブレス(桜木紫乃)
(絶対にタイトルと表紙で損をしてますってば!携帯小説っぽいなあと思ってました。とんでもない、がちがちの純文学で女性のいきざまでなんだかんだで読ませますってば!)

10.家族写真(辻原登)
(特に、なんですが、表題作の家族写真が短いのですが泣けるんです泣けるんです。今思い出しても涙がほろり)

次点
・天頂より少し下って(川上弘美)
(奇妙でほわんとしていて、柔らかな光に包まれていて、そういう気持ちになる一冊でした。でもほわんだけではないところが川上弘美の真骨頂。)

・11eleven(津原泰水)
(別のアンソロジーで読んだ五色の舟が傑出していますが、他の短篇もどきどきわくわく)

海外ミステリ
1.犯罪
(弁護士が遭遇する奇妙で異様な犯罪の数々。ミステリなのか奇妙な話なのか。私の中では奇妙な話が強いような気もするのですが、どれもこれも読ませる短篇集でした。作者の略歴もまた別の意味で興味ありました。)

2・解錠師
(出す時期が12月なので今期のミステリベストに入ってないけれど。とても素敵なミステリ。鍵開け犯罪をする口がきけない少年の物語。過去と現在が入り組んでいて、ミステリであると同時に深い愛の物語でもありました)

3.死刑囚
(逮捕された男が死んだはずの死刑囚?ここから話が始まるので、一瞬ただのミステリと思いそうですが、そんなものは吹き飛ばされる展開と驚きのラスト。死刑制度というものへの彼我の違いも面白いし、前半から続く細かな伏線が非常に面白く感じました。後味の悪さは絶品です。)

4.ローラ・フェイとの最後の会話
(ほぼ会話のみで過去のある事件を振り返る、というあぶり出し手法が素晴らしいと思いました、さすがトマス・クック!)

5.謝罪代行社
(こんな奇妙な謝る会社を作ってしまった「彼ら」に次々と犯罪が・・・。やらなきゃ良かったよ、の溜息が聞こえてくるようでした。「わたし」「おまえ」「彼」がそれぞれ誰かというのが最後までの牽引力になりました。)

5.装飾庭園殺人事件
(メタミステリ。ラストの方、真実が煙に巻かれるように出てくる時に、は!この味わい大好きです。
庭園の様子も楽しめました)

6.三本の緑の小壜
(オーソドックスなやや古典に属するミステリでしたが、やっぱりディヴァインは面白かったです。)

7.アンダー・ザ・ドーム
(庭に出て地面を見るとこの話を思い出すようになり、今でも時折空を見上げます。ディックの短篇にも似たのがあったかな。悪役が悪役過ぎて心の中で猛烈な悪意をかきたてられました。キングはこういうのが巧いかなあ、相変わらず)

8.二流小説家
(死刑囚が作家に告白本を依頼する、という異常な事態から始まって、謎解きメインよりも作家のハリーの右往左往振り、女子高生によりによって翻弄されるっぷりが読ませました。ハリー作の小説もあれこれ入っているので一粒で数粒の飴をなめたような・・・)

9.殺す手紙
(最初の親友から届いた一通の手紙でその通りの行動をすると・・・・という不可解な出だしが魅力的で思わず引き込まれるポール・アルテの推理小説。)

10.木星の骨
(カルト集団の教祖が殺される・・・実に閉鎖的な中で集団と向き合っていくフェイ・ケラーマンの推理小説。)


海外SF&奇妙な話

1.ミステリウム
(この奇妙な出来事が起こる町とは?壊される墓石記念碑とは?町の人たちとは?奇病とは?一種の奇譚でありながら幻想場面もありました。ぼんやり揺らいでいるものを見ているようなくらくら感がたまりませんでした。マコーマックに乾杯!)

2.ここがウィネトカなら、きみはジュディ
(時間SF傑作選で、どれも良かったのですが、表題作の時制あちこち飛ぶ話とスタージョンが感動的)

2.永遠へのパスポート
(バラード改めて天才!この中の監視塔が異常に好きです)

4.あなたの人生の物語
(どれもずしんとくる傑作揃い)


4.奇跡なす者たち
(想像上の異郷が目に浮かぶように見えてきました。)

6.ロコス亭
(奇妙な話で、最初のほうに出てくる人たちをよく記憶していてその人たちが後半ばらばらと色々な役割で出てくるところが大変読ませました)

7.旅の冒険
(ブリヨンは短篇もまた面白いのを発見。幻想と現実が入り組んだ見事な短篇群。)

8.時の地図
(タイムトラベルなのでSFなのですが、異色タイムトラベルといったところ。ウェルズが出てくるし、切り裂きジャックは跳梁跋扈するし、タイムマシンはあるし、のテンコ盛りで大変楽しく読みました)

海外一般

1.精霊たちの家
(傑作。これを意識して書いた日本の本があるけれど、やっぱり原作は桁違いに面白い)

2.盗まれっ子
(ファンタジーそれほど・・・の私がおおいに引き込まれ今尚この話を思い出すと心うずきます。人間の子供と入れ替るという伝説を上手く取り入れながら、ここからのお互いの苦悩を描いているのがとても印象的)

3.アライバル
(予備知識ゼロで読んで良かったと思いました。
最初の数ページで何の話?SF?失敗?ときりきりしていました。が、そのあとの展開と言ったら!言葉って何なんだろうとも。)

4.結婚のアマチュア
(アン・タイラー家族の話はどれも心にヒットするのですが、これまたヒット。夫婦って何だろうと思います、あとラストがいかにも日本じゃないなとも。)

5.終わりと始まり
(大震災直後に読んで一番心に残った本でした。ポーランドの詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩集ですが、春を恨んだりしない、を地震の直後の桜の中で読みました。)

6.ソーラー
(この直後にノーベル賞発表があったので笑いました笑いました。冴えないノーベル賞学者の右往左往ぶり、女好きぶりが実に読ませます。マキューアンはこういうのもさくっと書けるところが才能満載)

7.メモリー・ウォール
(静謐、なのですが、伝わるものがとても多い小説。記憶を巡る短篇群でした。記憶のカセットというSF仕立ては一編のみ、これも印象に残りました。来世のラストが忘れられません。そういえばこの人のシェル・コレクターも良かったし。)

8.週末
(週末別荘に集まった人達。ある一点で崩れていく仲の良い人たち、というところが読ませました。)

9.慈しみの女神たち
(長いのですが、長いだけの価値があり、ナチの話ですがありきたりではなく読ませる読ませる!最後の註もとても楽しんで何度も読みました)

10.ウルフホール
(ヘンリー8世の話が大好物ゆえ、上下2巻もそれはそれはさっくり楽しんで読みました。天才政治家トマス・クロムウェルの目から描いている所が特化していました)

次点
・最初の刑事
(本ではなく、本当の現実世界の最初の刑事、のノンフィクション。面白いのは、それぞれの「その後」が描かれていることでした。そして、現実の犯人の二転三転!)


エッセイ・随筆・書評集

1.完全版池澤夏樹の世界文学リミックス
(世界文学を縦横無尽に語ってくれる面白さと言ったら!

1.福永武彦戦後日記(最初の池澤夏樹の序文にもぐっときましたが、小説家になる前の福永武彦が眩しくて眩しくて・・・・何者でもないが文学で身を立てる!の決心が神々しいほどです、そして極貧状態も痛々しい。親子で1位です。)

3.謎解き名作ミステリ講座(佳多山大地)
(函からしておしゃれで可愛らしい。大学生に向けてというスタンスが好ましくわかりやすく、初心者向けと侮れないと思いました)

4.絵のある岩波文庫への招待(坂崎 重盛)
(絵がついている岩波文庫って多いなあとぼんやり思っていたけれど、こうやって絵に注目してもらうと何て面白そうな本が岩波には眠っていること!どきどき)

5.本の寄り道(鴻巣友季子)
(真面目に本を語ってくれる鴻巣友季子。この場合の「真面目に」は「面白くなく」と同義ではなく、「真摯に」と同義であります。読んでいる本はまた味わえるし読んでない本は読書心をかきたてられるし。)

6.快読シェイクスピア(松岡和子・河合隼雄)
二人の対談でシェイクスピアについての目からウロコが多数)

7.ラテンアメリカ十大小説(木村榮一)
(新書というにはあまりに濃い内容に圧倒されました。ラテンアメリカを訳していらっしゃる木村榮一さんの語り口の面白いことと言ったら!)

8.本に埋もれて暮らしたい(桜庭一樹)
(桜庭一樹の選択する本ってどれも魅力的で付随するまた本の話も読書心を刺激されました。)


9.幻視者のリアル(千街晶之)
作者ファンなので、幻想文学についての文章を熟読しました。皆川博子論が色々考えさせてくれました)

10.小説を書く猫(中山可穂)
(最新エッセイ。どこにいても世間からの異端者という姿勢が見えたような気が。またいい小説を書いて欲しいものです)

ベストには入ってないけれど気になった本
・夏の王国では目覚めない(彩坂美月の推理小説は複層構造の虚構現実の入り乱れで、ネットをやってる人にはすごく分かる部分があるものだと思いました。大注目してます。)
・遠海事件(よく表紙を見て、最後まで読んでまた戻っての驚愕が。)
・人間の尊厳と800メートル(表題作が忘れられません、決して後味はよくないのだけれど)
・チヨ子(この中の聖痕は読むべき小説だと思いました)
・放課後探偵団(スプリングハズカムが群を抜いていました)
・夜よ、鼠たちのために(連城三紀彦の傑作短篇群。反転が素晴らしいのです。復刊して欲しい欲しい欲しい欲しい!!!)

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総合順位
1.
犯罪犯罪
(2011/06/11)
フェルディナント・フォン・シーラッハ

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2.
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2011/07/15)
皆川 博子

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3.
精霊たちの家精霊たちの家
(1994/05)
イサベル アジェンデ

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4.
十蘭万華鏡 (河出文庫)十蘭万華鏡 (河出文庫)
(2011/02/04)
久生 十蘭

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5.
ミステリウムミステリウム
(2011/01/25)
エリック・マコーマック

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6.
盗まれっ子盗まれっ子
(2011/05/26)
キース ドノヒュー

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7.
解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2011/12/08)
スティーヴ・ハミルトン

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8.
完全版 池澤夏樹の世界文学リミックス完全版 池澤夏樹の世界文学リミックス
(2011/04/16)
池澤 夏樹

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9.
夢違夢違
(2011/11/11)
恩田 陸

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10.
アライバルアライバル
(2011/03/23)
ショーン・タン

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次点その1
桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活
(2011/05)
奥泉 光

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次点その2
謎解き名作ミステリ講座謎解き名作ミステリ講座
(2011/10/05)
佳多山 大地

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