2017.07.15 海岸の女たち


評価 4.8

取材に出かけたフリージャーナリストの夫。
彼からの連絡が突然途絶える、それも10日間も。
ニューヨークの舞台美術家の妻のおなかの中には子供が・・・
そしてパリからの夫からの手紙には謎めいた写真が入ったディスクと手帳があった・・・


まあ・・・この妻アリーがアクティブなのだ。
ディスクと手帳という心もとない手がかりをもとに(それのみで)、ああだこうだ考える前に行動しよう!ということで、なんだかやたらめったら突撃!みたいにしてニューヨークからパリへ飛んでしまう。
でもこの捨て身の行動、が実を結んだのか、最初全く何もなかった状態から徐々にオットがいったい何をしていたのか、何の取材をしていたのか、というところまで突き止めていく。
ヨーロッパの都市からリゾート地まで彼女は足を運ぶのだった、ひたすら愛する夫のために。
この場合、探偵役が妻になっているのだと思う。
全くの見知らぬ土地でしかもおなかに子供がいるのに(まだ初期とはいえ)、ぐいぐい進んでいく行動力には脱帽する。

最初の方で、よくわからない場面が海岸でいくつか点在している。
・靴のない少女が海から上がってきて、靴を見つけた話
・男性と海岸で関係を持ち、そこで死体と遭遇したテレーセという女の子の話
この二つがあとから関係してくるのだ、アリーの捜索に。

最初の内、(これは失踪した夫の秘密の生活の暴露?)というようなミステリだと勝手に思っていた。
けれど、開かれてみると、これは紛れもなく社会派のミステリであった。
話の裏側で響いている重低音は、ヨーロッパの移民問題であり、密入国であり、人種間の闘争であり、そして奴隷の人身売買まで行きつくという、結構ハードな物語だ。
夫がジャーナリストとして認められる賞を惜しくも逃してから、この問題に肉薄していってその結果失踪した。
この経緯も良くわからないまま突進していく妻のアリーの姿が勇ましい(と同時におなかに子供がいることを思えば所々で無謀だなあ・・・とは思うものの)

にしても、私はこの話の中で一番驚いた部分が、夫婦間のことだった。
ここで驚くのもおかしいのかもしれないが・・・本筋とずれている?
いや、でもこのことが非常に大きなポイントともなってくるし、最初の二人の女性の海岸での出来事を後から読み直すと、ここと合わせてなるほどなあ・・・と思うのだった。
ちょっと前に読んだ本と同じパターンなのに全く気付かなかったのだった。
え!と。
文字で読んでいて、夫は失踪してかなりハンサムのジャーナリストで、妻は舞台美術家のキャリアウーマン、という設定でこちらが想像していた夫婦とは全く違っていたのだった。

そしてこの物語、アリーの側の話もまたある。
アリーがもともとチェコの人間であり、彼女自身は過去の自分を否定するような生き方をしていた。
しかも今、夫と幸せに暮らしていたのだ。
けれど、夫が失踪して探しているうちに、内なる自分の出生にも目を向けていく物語でもあるのだ。
ホテルに泊まり、最後にオットが電話していた部屋に泊まり、彼が見たものを想像し、火事の跡を見つけ、、人権活動家のところに行き、夫の知り合いの女性のところに行き(軽く嫉妬しながら)、架空の会社の裏側、に行き、夫がトラブルを起こしたらしいレストランに行き、そこでの出来事を何とか聞き出そうとし、とずるずるっと紐が引き出されるように、妻は真相に近づいていく。彼女に警告する女性というのもまた現れる。
この連続した妻アリーの足跡は読ませるところだと思った。
そして黒幕はいったいどこにあったのか・・・・

後半、あまりにむごいことがある。
それが、妊娠していた女性だからこそむごい。
この場面って必要なんだろうか。
そして最後に更に過酷な真実が・・・

以下ネタバレ
・私が驚いたのは、
かなりあとになって、ジャーナリストの夫が黒人だったという事実が明らかになったことだ。
ハンサムな黒人と白人の妻の組み合わせだったのか!!
ここが文字の面白いところだと思う、なぜなら、夫の写真を毎回色々な人に見せているのに私たちはそれを見ることができないのだから。

そして彼が黒人だったことにより、彼が死んで海岸に漂着しても、それな難民だと思われたというのがよくわかる。
アフリカ難民の溢れていたこの時代、なので、漂着はほぼ黒人だったのだ。
密航船が溢れていて(これは最初の描写でもわかるし途中でも過酷な船内の様子がわかる)、そもそもヨーロッパに着くことすら難しい。着いたら着いたで搾取される人間たち。
しかも最初の方で黒人の死体を踏みつけた女の子の話が出てくるが、これが夫だったとは。

・妻アリーが妊娠していながら、黒幕の手先にレイプされる場面がある。
ここ必要な話だったのだろうか?
あまりにむごい。
2017.07.10 風の歌を聴け


評価 5

年に何度か読み返すのだが・・・

デビュー作に全て詰まってるというのは至言であって、本当に村上春樹のスタートがここから始まると思いながら読むと感慨深い。

・バーで出会い介抱した女性
・指に特徴のある女性
・鼠というあだ名をつけた彼
・今まで付き合った三人の女性の行方
特に最後に自死した女性への気持ちとその揺らぎ
・ひと夏の出来事
・おしゃれな小物の数々・・・
・音楽への憧憬

初めてこれを読んだ時に、これが日本の小説というのにとても驚いたというのをまた改めて思い出した。
もう文体から何から、翻訳小説そのものだったから。
内容もついでにいえば、翻訳の世界の物だったから。
なんだか画期的な作品だったのだった。
2017.06.22 穢れの町


評価 5

前巻で、うおおー次を早く!!!どうなるこの二人は!!と思っていたが、次のこの穢れの町、でも同じことが起こる。早く次を!!
エドワード・ケアリーの語りの巧さ、凄まじさが怒涛の如くこちらになだれこんできて、物語世界に一気に連れて行ってくれる。

相変わらず不気味な挿絵が素晴らしくこれがこの話を盛り上げていることは間違いない。
表紙を開いた見開きのところの図は、前回はお屋敷の図、今回は町の鳥瞰図になっていてここも楽しめる。
裏表紙を開いたところにはポスターが貼られている(これも見ていくと楽しい)



<以下内容に触れるので一部ネタバレになると思います>

今回は、タイトルにもあるように、町のフィルチングが主役になっている。
前巻は、お屋敷が主体で町はちらっとしか出てこない。
前巻で離ればなれになってしまった、アイアマンガー一族のクロッド。
死んでしまったらしい恋人ルーシー・ペナントを探していく・・・
クロッドが前巻では、おどおどしていて自分の特異な能力(その人が持っている誕生の品物の声が聞こえる、そしてそれによって品物がかつて人間だったことを知る)さえも生かしきれなかった、感じがしたが、この巻では、成長して自分をいわば敵地のようなところでもアイアマンガーと宣言できるし、ルーシーを見つけるのに全力を尽くすことでより強くなっている。

ルーシーは一旦ゴミにのみ込まれて死んだ?と思わせられていたが、実はどっこい生きていた。
いかにもはねっかえりで元気の良いルーシーらしく、最初わけのわからぬゴミの中の物にてきぱきと指示し、ゴミ山から何とか脱出しようとする姿が印象深い。

・・・
この話、町、なので、いわば貴族として君臨してやりたい放題(思ったよりやりたい放題だった)のアイアマンガー一族を、貧民の死町の庶民たちがどう見ているか、というのがよくわかった。
病気がそこら中に蔓延していて、治安の悪い汚い最低の町、フィルチング。
そこに住む人たちと住まざるを得ない人たち。
途中で、物から人へ、人から物へと流動的に話が進んでいくところが一気に読ませる。

感動の再会もあるのだが、そのあと・・・
次巻が待たれる!
2017.06.21 劇場



評価 4.6

恋愛小説だ。
作者が作者なので、ものすごく不利だと思う、なぜならこの主人公にどうしても最初のうちは作者を重ね合わせてしまう。
強烈な印象がある作者(声高に物は言わないが存在感が芸能人であるので半端なくある)の声が聞こえてきてしまうのだ。
さらに不利、だと思うのは、これが関西弁で語られているのでますます作者に重ね合わせてしまって、それを脳内から振り払うのにとても時間がかかった。

劇団で食えない生活をしている永田。
彼がふとしたことで見つけた沙希という女性は、よく笑いよく彼をサポートしてくれた。
一緒に暮らすようになり、永田は自分の劇団のトラブルや他劇団で活躍する人たちへの嫉妬にも苦しむ。
内省的な永田を常に笑いで温かく包んでくれる沙希・・・しかしその恋愛の行く末は・・・


永田が考え始めると、その考えが記されていて、それがとても屈折しているのがわかる。
彼の考えをたどっていくと、常に自分、というのがあり、常に外から見られている自分もあり、とどのつまりは自分でしかないのだ。
とてつもなく文章を頭で紡ぎ、頭だけで考えて、屈折しまくっている男、永田の姿がこちらに伝わってくる。
彼はお金もないこともコンプレックスになっている。
世間から演劇の世界で認められていないこともコンプレックスになっている。
彼独自の世界を誰もわかってくれないということもコンプレックスになっている。
そして強い自我意識のみが存在して、彼をようやくこの世で生かしているのだった。
元劇団員の女性が本を出した時のすさまじい罵倒も、彼の心の本質を描いている。

永田像というのが、昭和の時代の文学系演劇系の男性に多かったなあ・・・と懐かしかった。
今も形を変えているだろうけれど、今はインターネットがあるのでそこで決定的に違うのだ。
昭和の屈折した男永田、というのが私の印象だ。

その中で、奇跡のように現れた沙希。
現れた、というか、彼女との出会いも、普通でいえばかなり気持ち悪い、ストーカーのようなものだから。
ナンパというのでもなく、ただただ彼女を求めている永田の気持ちが薄気味悪い、普通の感覚だったら。
けれど沙希は菩薩のような存在なのだ、永田にとって。
最初のうちは永田を警戒していたのに、あっという間に警戒をほどいて彼のあらゆるところを受け入れようとする沙希がいる。
沙希の永田に対していった
「本当によく生きて来れたよね」
という言葉がわかる。

後半、沙希が壊れていく。
もし、彼女が別の男性と普通の恋愛をしていたら。
もし、彼女が永田が声をかけた時に無視し続けていたら。
いくつものもし、が頭をよぎる。
天真爛漫で誰からも愛された彼女が壊れていくのを読んでいるのがとても辛かった。

・・・・・・・・・・・・
この小説、私が違和感があるのは、性描写が一切ないということだ。
手をつなぐ、というところまではあるけれど、そのあとはない。
同棲していて当然交渉はあるのだろうから、そこに対しての両者の思いというのも絶対にあるはずで、そこが書かれていないというのが奇妙に思ったのだった。
2017.06.20 かがみの孤城


評価 5

読み終わった時に、

(この物語が、今現在学校で、家で闘っている全ての子供に届きますように。
そして闘わなくてもいいんだよ。
放棄してもいいんだよ、とも。
身近で信頼できる大人をだれか見つけられますように!)

と強く強く思ったのだった。
物語はそれだけの力があるとまだ信じている。
この物語はそれだけの力があるとも。

また冒頭の部分と最後の部分が呼応して円環の物語になっている。
冒頭を読んで絶望感に浸った人も、最後の文章で救われる。
非常に巧い構成だと思う。

・・・・・・・・・・・・
辻村作品の初期の作品にとてもテイストが似ている。
たとえば、冷たい校舎~あたりに。
けれど、かがみの孤城は、その作品よりもずうっと問題が根深くなっている。
扱っていることは、学校内のいじめ、に端を発しているのは同じなのだが、かがみの孤城ではこれが複数の人たちが何らかの形で(それはいじめに限らない)学校にいけない状況、になっているのだ。
不登校の子供たちが集結して、そして一つの謎を解いていく。
その謎とは、鏡をそれぞれくぐってきた城の中で会った少年少女が、鍵を見つけることだった。
鍵を見つければ、一つだけ願い事が叶う。
皆それぞれ独自に探していくのだが・・・・

自宅の部屋の光り始めた鏡の中を通って別世界に女子中学生こころが行く、そこには狼のお面を付けた女の子が待っている・・・
彼女はお面の中から、3月までに鍵を見つけろそうすれば願い事が一つだけ叶う、と教える。
でも願いがかなった瞬間に孤城は終わってしまう。
そして彼らの記憶も消えてしまう。
いずれにしてもこの孤城が3月までの期間限定のものだとも。
そこには自分と同じような境遇の同世代の7人の少年少女がいた・・・


これだけだとファンタジーだ。
子供向け?ここにも出てくるナルニア?
けれど、これは私が思った『そういう傾向』のファンタジーとは一線を画していた。
最初のところで挫折しかけた人はあともうちょっと読んで欲しい。
ファンタジーではない、というのがよくわかってくるだろう。

集まったものの、少年少女はお互いが何となく学校に行っていないということだけは知っているが、それぞれの事情を面と向かって聞きはしない。
本名も知らず、ただ名前のみ(または苗字のみ)を知っている少年少女。
ゲームをしまくっている男子二人マサムネとスバルの中に入れてもらえるこころの姿がまぶしい、ここでは入れてもらえた・・・でも周りを見てまた仲間外れにされるのではないかとおどおどしているこころの姿もまたあるし彼女の中の疑心暗鬼は消えていない。
最後までなぜ?というのがわからない子がいる、それは部屋にこもっていることが多かったアキ、だ。
また3人のうちの女の子の一人フウカもなかなかその本当の姿が見えない。


登場人物
・マサムネ・中学二年生。学校に行かなくてもいいと言っている独自の考えの両親がいる。ゲームマニア。言動がストレートな男子中学生。学校になぜ行けなくなったのか、学校で何と呼ばれたのかが途中でわかる。
・スバル・マサムネと最初からゲームをしている不良っぽい男の子。お兄さんがいて途中で髪を染めてくる。彼は祖父母と暮らしている。こころがハリポタのロンに似ている、と評している。
・アキ・中学三年生。大人っぽく極端に学校のことに触れられるのを嫌がる。
・こころ・中学一年生。
・リオン・中学一年生のイケメン。なんで誰からも好かれそうな爽やかなリオンがここにいるのかが皆の疑問だったが途中で意外な彼の立場が半分だけわかる(残り半分は最後の方でわかる)。
・フウカ・中学二年生。眼鏡の女の子。とっつきは悪い。部屋にいることが多かった、途中まで厳しいことを言うことが多い。
・ウレシノ・中学一年生。苗字で呼んでいるちょっとぽっちゃりめの男子中学生、最初の内疑似恋愛ごっこで全ての女の子に好きだというアプローチをして気味悪がられる。なぜ彼が不登校かは、途中で明らかになる。

主人公にあたる、こころ、の事情だけはっきりと最初の方からわかっている。
入学したばかりのマンモス校の中学校で一人の同級生から激しいいじめと仲間はずれにあっていた。
家を取り囲まれるまでに至って彼女は不登校になるのだ。

ずうっと孤城にいられるわけではなく5時と決まっていて、そこを出たら狼に食べられてしまうという掟があるので、家にいるという時間もあってそこでは日常を送っているこころ。
スクールという不登校の子供たちの学校すら行けなくて苦しむこころ。
そのスクールで唯一心が開けそうだ、とこころが認めたのが、女性の喜多嶋先生だった・・・


・・・・・・・・・・・・・
こころとお母さんのやり取りの中で、引きこもりになって初めてお母さんに全てを話した部分に泣けた。
ここは親と初めて本当のことが話せた、しかも現実というので泣けたし、そこまでこころが学校にいけないというのを問題視扱いしていた母親が、実はこころの一番の味方だったというのをこころが理解した瞬間だったから。
母親が学級担任に立ち向かってくれる姿にも泣けたのだった。
(にしてもこの担任!!!と言ったら!!!)

この物語は
・そもそもこの孤城とは何だったのか
・ここに集められた中学生は何だったのか
・狼の面をつけた少女は何者なのか
・リオンはなぜここにいるのか
・最後に探すカギは何を意味しているのか
とたくさんの謎に満ちている。

ミステリとしては、伏線がたくさんの場面に潜んでいる。
正直、こうじゃないか、という大きなこの物語の構成はその伏線を読んでいればわかる人が多いのだと思う。
わかっても尚且つ読ませる力があるとも思った。
またラストの二つ、つるべ打ちの様に衝撃だった、これはどちらも予測していなかったから。

最後まで読んだら必ずや最初に戻ると思った。
そして最初からもう一度読んでみると、新たな目で読み直すことができるのだ。


以下ネタバレ
・この物語が時制の違った子供たちが集められた、というのは話のずれで割合初期でわかる。
スーパーの有無、同じ喜多嶋先生の描写、マック、ゲームの感じ、休日の受け止め方(特に1月15日の話)・・・
そして途中で同じ学校ということも、アキがたまたま着ていた制服でわかる(制服は時を経ても変わらないものの一つだなあとは思った)
それがわかるのが、スバルが三学期のある日登校するので、皆に来て欲しいと言った時に、皆が行っても会えなかったというところも大きい。
けれど途中でマサムネがゲームに見立て、これが並行世界だと言い始めたのでそうなのかなあ・・・とそこで一旦考え直したのだが・・・でもやっぱり最終的には時制が違っていた。

最後5時過ぎまでいたアキのせいで、皆が狼に食べられてしまう。
それを救うべくこころが立ち向かう、この物語は、七匹の子ヤギの物語だと気づいて子ヤギが隠れた場所に行って、印の×印に手をやるとそれぞれの人の生い立ちが脳内に出てくるのだった。
(この×印の意味がわからなかったので、なるほど!)

・スバル1985年
親と離れ祖父母と暮らし、不良の兄の影響でそちら方向に走ろうとしている。
ゲームをするマサムネと親友になりつつあった。
だから、彼は「ゲームクリエーターの有名な人と知り合い」と言ってしまってそれが嘘とわかって学校に行けなくなってしまったマサムネのために
『自分がゲームクリエーターになる』
と宣言してくれる。ここは泣けた。
彼とマサムネは時が離れているので、実際にその可能性はあるのだ(本人たちが覚えていないにしろ)

・アキ1992年
彼女の姿が一番わからなかった、何に悩んでいるのか最後の最後までわからなかった。
彼女は義父によって家庭内の虐待になりそうなのを必死に耐えていた。
その過程でテレクラなどにも救いを求めていたが何もそこからは生まれなかったので絶望していた。
彼女を救うために全員が協力して引っ張るのだ、特にこころの活躍がある。

そして時を隔てて、彼女が実は喜多嶋晶子だということがわかる(驚いた!!)
そう、彼女は喜多嶋先生で、不登校になったこころを救うことになるのだ。
そればかりか、年老いた喜多嶋先生とその後の子供たちの出会いもある。
(リオンの姉をみとったことからこの道に進もうと決意していた)
子供たちに狼の口から救ってもらったアキはその救いの手を今度は救ってくれた子供たちに返したのだった。

・こころ・リオン2006年
リオンはハワイの学校から通っていた。
だから彼だけが不登校ではないのだ。
けれど、小さい時に姉を病気で亡くしていて、母親がその気持ちから抜けきれない。
ハワイに追いやられたと思っていた。

そしてリオンは地元の学校に強烈に行きたかった。
最後リオンはこころの学校にさっそうと現れる。
覚えていなくても、こころを見つける、このエピローグが最初の部分に繋がってい行く・・・
奇跡は起きるのだった。

さらに狼の面をつけて皆をここに招集した少女は、亡くなった彼の姉だった。

・マサムネ2013年
ゲームが大好きなマサムネ。
嘘が口からついて出てしまい、ホラマサと言われている、学校では。
仲の良い友達にまで見捨てられ学校に行けなくなる。

マサムネは、苗字であるというのがラストでわかる。
ウレシノに続いて二人目。

・フウカ2020年
ピアノの天才児と騒がれて母親もその気になり、全てを犠牲にして練習しまくるが・・・
結局それほどの人にはなれず、学校での勉強を取り戻すべく孤城で部屋で学校の勉強をしていた。
こころからの贈り物を宝物のようにしている姿が可愛い。

ウレシノからの好意をしっかりと受け止められる少女で、覚えていないというのは承知で、
年齢の違うウレシノと未来での出会いを約束する。

・ウレシノ2027年
学校で友達の名のもとにお金を奪われたり、暴力を振るわれたりする。
途中で一回戻るのだが、その時にも壮絶な暴力を受けている。


・こころをいじめていた女の子からの手紙の話(2回ある)は、

<<以下冷たい校舎の時は止まるのネタバレになりますので注意!>>




冷たい~で、角田春子という女の子がいじめをした深月にそのお詫びの手紙を出したのだが受け入れられない、

というのに通じていると思った。
このことによる悲劇的結果が、冷たい校舎ではあるのだが、かがみの孤城ではまた別の展開が用意されている。




評価 4.8

番組を楽しく見ていただけにこの本を心待ちにしていた。
こうしてまとまると、やっぱりこの番組面白かったんだなあ・・・と改めて思う。
トークバラエティとあるけれど、本好きの若林が聞き手になっていて、彼は作家たちと飲むこともあるらしく距離が近いので、素顔に近い作家たちの生の声が聞こえる。

この中で、私が一番面白いなあと思ったのは、やっぱり活字になっても同じで角田光代と西加奈子の回、加藤知恵と村田沙耶香の回だった。
どちらもちょっとずれている感じ(角田光代と村田沙耶香)の人がいて、どちらかというとノーマルな人がいて(西加奈子と加藤知恵)、という背反する二人の組み合わせが楽しい。
角田光代がこんな人で、何でもかんでも注文を引き受ける、それは小説以外にも、というのに驚いていた。
あれだけの才能を持っていてあれだけに作品を生み出している重鎮、と思っていたからなおさらだ。
村田沙耶香は、おかしいんだけど下手すると危ない不思議ちゃん枠にいられられるところをかろうじて踏みとどまっている、そこがとても好ましい。

全くその人となりを知らなかったダブル中村の好対照の話も面白かった。
こういう人たちなんだなあ・・・・!と驚いたりしたものだ。

若林の突っ込みもさえわたっていてそこも番組を大いに盛り上げてくれる。
受け答えがぱぱっと出てくるところ、別の同じような何かに置き換えるところの機転が素晴らしい。
妙に気を使うことなく、それは変だね、と素直に言える感性が、この場を盛り上げているのだろう。

・・・・・・・・・・・・
惜しい、と思ったのは、やっぱりこれ、映像で見たほうが圧倒的に面白いのだ。
角田光代が、ぼけっとしている感じ、のんびりとしている感じが伝わってくるし、村田沙耶香のおっとりとしていながら平然と怖いことを言う感じとかが文字では伝わりにくい(だからこれだけを読むと村田沙耶香は不思議ちゃんに見える)。

またこの番組再開してほしい。
2017.05.31 ガラスの靴


評価 5

ファージョン版のシンデレラ。
初めて読んだのだが、やっぱりファージョンだからとてもとても奥深い。
そしてファージョン独特の夢のような豊饒な言葉で紡がれたシンデレラストーリーだ。

一番驚いたのは、お父様がとても弱気で義理の母、義理の姉妹に言い返せないことでもなく、シンデレラの境遇がハリーポッターのようにある一つの部屋台所に押し込められていることでもなく、道化の存在だった。
道化!
王子様側にいる道化が異彩を放っている。
そして道化がいることでこの話、格調が上がっているのも確かだ。
(遠くでシェイクスピア劇を思う。
またシェイクスピアと言えば、途中の伝令官の歌、精霊たちの歌、などの各種の歌、もシェイクスピア劇を思う。)
王子が何かを言う、道化が答える。
エラの義姉たちが行った時にも道化を王子と勘違いする面白さも含んでいる。

また、シンデレラ(この場合エラなのだが)が部屋とされている台所にいる時に周りの大時計やらテーブルやらと話をするファンタジーの世界の光景が何と言っても楽しい。
(ここは、美女と野獣をちょっと思う)
祈ったからシンデレラの衣装を用意してくれるおばあさんが配置されるのではなく、おばあさんを外で助けたということから見返りをもらう、という展開も目新しかった。

更に、王子様との出会いの後、ガラスの靴を家々に持って回るのではなく、それをはくのに皆がやってくる、というのも目新しかった。
食べ物の描写も楽しくて思わずこれはなに?と食べたくなる。
司会者が歌う、極上の砂糖菓子のトライフル、なんておいしそうなんだろう!
ドレスの描写も美しく煌めいていて、どのドレスも実際に見てみたくなる。

意地悪な義母様・・・なんとかつらだったとは!
そしてその姿になった時にタイミング悪く、伝令の人が来るとは!(ここちょっと笑った)
2017.05.22 渇きと偽り


評価 5

良いなあと思った。
何より読みやすいミステリだ。
このタイプの話ってよく見かけるので話としては既視感がある。
今現在の殺人事件・・・そして過去の殺人事件・・・これが絶妙に絡み合う・・・誰もが知り合いという閉鎖的な人たちがいる片田舎のそれも殺人事件・・・
でもこのミステリが同じような話と一線を画しているのは、この環境なのだ。
旱魃で干上がっている大地。
農業をしている町の多くの人たちにとっては死活問題だ。
皆が苛立っている。
暑いし、水もないし、物も売れないし、勢い町全体が活気がない。
ここで終わるのかと思うほど皆が天を仰いでいる
周辺がこれだけ殺気立っていて一家全員が死亡というニュースも、一人の男が旱魃に負けて未来を悲観して自分の妻を殺し、子供を殺し、そして自分が自殺、という異常な状態になっても、誰も自殺を疑おうとしない。
この部分がわかる、これだけのひどい環境なのだから。
苛立ち、絶望感、は暴力を呼び、過去の亡霊にすら唾するようになる。
そこに戻ってきたのが、過去石持て町を追われた一人の男フォークなのだ。

連邦警察官フォークは、20年ぶりに故郷に帰る。
それは、フォークにとってつらい旅になった。
なぜなら、彼は20年前に町の人たちから嫌がらせを受けて父とともに逃げるようにこの町を去ったのだった。
それは、彼の女友達の死亡事件、に絡んでいると町の人たちに疑われたからだ。
そしてその時に唯一自分のアリバイを証言してくれた友人のルークが自殺したという。
ルークの父から不思議な意味深長な手紙を受け取ったフォークは、故郷に・・・


このミステリ、過去と現在を行ったり来たりはしているけれど、その描き方もわかりやすい。
章を別だてにするのではなく、太字で話の中に入れ込んでくれているのだ。
だからあっちこっち飛ばなくて済むし、何より話が途中で途切れずずうっと続いているので、一気に読める。

ルークが昔太陽のような男の子であって、ルークとフォークとグレッチェン(女子)とエリー(女子)が4人組の仲間だった。
この子たちが仲良くしている姿も鮮やかだ。
そして途中で恋模様もあり、それぞれの性格の違いなども浮き彫りになっている。
ルークは成人して、カレンという素晴らしい伴侶を得ている。
本当にルークは一家全員を殺害したのだろうか?という謎から始まる。

フォークも探偵役になるがもう一人頼もしい味方が町に外からやってきたレイコーだ。
この二人が常識的な人間なので読んでいてほっとする。
嫌がらせをフォークは過去の事件を覚えている人たちから受けるのだが、これも読んでいて胸が詰まった。

誰が(現在の事件の)犯人なのか、誰がどうしたのか、というのは途中でなんとなくわかる、動機まではわからないものの。
また善人と悪人がぴちっと分かれすぎている感じもする。
あと・・・PTAのあの怒っていたお母さんの話はいろどりなのか、あれで終わりなのか。
父との相克があまりにやるせない、と思ったりしたのだが、これもこれで終わりか。
そもそも、名前にフォークとあるだけで、疑われるという状況は一体何だろう?フォークに助けてもらったかもしれないし、フォークに連絡していざという時は、かもしれないし。名前があったから疑われる??
といろいろ思うのだけれど、読む手が止まらないのはいったいどうしたことだろう。
要は書き方がとてもうまいのだ。
伏線が絶妙に配置され、そして、フォークがある言葉で気づくというところが最大に読む側に!!という気持ちを思い起こさせる。
犯人がわかってもそしてそれが当たっていてもなーんだという気持ちにはならないミステリなのだ。
それぞれの人の心に抱える鬱屈、その人が生きていく状況、などがまざまざと喚起させられる。



以下ネタバレ
・(ごめんなさい、フォークのお父さんがずうっと犯人だと思ってました、過去の事件の。)
しかし過去の事件は、これだけ嫌がらせをしていたマルとグラント・ダウとは・・・とことん腐った奴ら・・・
エリーは父親に虐待されていた。そこから逃げようとした。
そして用意して隠したのがリュックサック。
私は、あのリュックサックに涙が出た。劣悪な環境から必死に逃げたかったエリー。

・現在の方は、あの校長がいかにも、で最初から怪しいのだが。
動機が分からなかった。
ギャンブル好きというのが、パブのバーテンダーの人の一言でわかるフォークが素晴らしい。


評価 4.6

さらっとした青春小説で楽しく読んだ。
徐々に仲良くなっていく高校生の男女の5人組の姿が微笑ましい。
皆で文化祭を頑張るクラスの様子もくすぐったいくらいに眩しい。
ちょっとした隠し事を皆が持っていて、それが何なのかという小さな小さな謎解きもある。
それぞれ特殊能力?を持っているという設定が、小さなスパイスになっている。
アニメとか漫画になってもこの話、楽しく見ることができるんじゃないかなあと思った。

ミッキー、元気いっぱいの女の子、当たって砕けろの側面が。
エル、登校拒否だったのをミッキーに救われる、裁縫が得意なおとなしい女の子
パラ、ぱっぱらぱーから来ているけれど、クラスでリーダーにもなれる女の子
ヅカ、体育会系の爽やか少年、皆から愛される男の子、ミッキーと同じ中学出身。
京、内気な男の子、自分の思うことがなかなか言えない男の子、ヅカの親友。


京は、皆の頭の上に?や!や。。。の記号が見える。
だからその人が何を本当は瞬間的に考えているかわかる。
ミッキーは、皆の頭の上にバーがあってそれがプラスの方向とマイナスの方向に動いてるのが見える。
パラは、皆の頭の上に数字が見えて、それがリズムを刻んでいる、何かがあるとそのリズムが乱れている。
ヅカは、皆の頭の上に、トランプカードともに喜怒哀楽の文字が見える。
そして、エルは、皆の体から出る矢印➡が見える。

この設定、荒唐無稽だしいきなりという感じはするけれど、この話の中だと、ほわっと受け入れられるのだ。
京の内気な男の子っぷりも、彼が全く正反対の男子ヅカと仲良くしている様子も心温まる。
クラス皆の文化祭での劇の様子とか(最後のパラのまとめ方がお見事)、受験で将来が見えないミッキーの悩む様子とか、思いがけないことで登校拒否になったエルを引っ張り出すミッキーの底力とか、読んでいて微笑ましかった。
そして、最後の話で、ある一つの思いが皆の気持ちで結集していく・・・

・・・
この話、携帯とかスマホが出てこないなあと思いながら読んでいた。
連絡を取るのもスマホが出てこないし、困ったことをスマホで調べるわけでもないし。
いつの時代の話なんだろう?
いずれにしてもスマホが出てこないとこんなにほのぼのとした高校生活があるんだ、というのを改めて思った。
スマホの功罪はあるのだろうけれど。

またミッキーのみ、ちょっとわからない女の子だ。
単純すぎてわからない。
他の子は想像がつく範囲の高校生だけれど、簡単に言えば猪突猛進の元気な女の子、この学校でこのクラスだから受け入れてもらえて良かった、他の場所ではミッキーが一番外されそうな子だから。
2017.05.10 愚者の毒


評価 4.9

大変面白く一気に読んだ。
この人初めて読んだ人!と思い込んでいたら、経歴を見ていて、(あ!るんびにの子供の人だ!読んでいた!)というのに気づいた。
ただ、あちらは怪異を描き出している話だったが、こちらは完全なミステリになっている。
あまり恵まれていない人生の二人の女性の話を過去の陰惨な出来事から開いていく・・・

ミステリとして、すれた疑り深い読者の私は二つ、こうだろうなあ・・・と予測したことがあって、それは二つとも当たっていた。
→でもそれが、面白さを半減したかというと語り口が読ませるので、どんどんページをめくっていって、やっぱり!!という気持ちが爽快感さえ感じさせられる。
悪のキャラクターだけではなく、ここに清涼剤のようなキャラクターの元中学校教師の難波先生がいるからだろう。
彼が途中で語る、愚者の毒についての話はとてもとても心に響いたのだった(そのあとの展開を読んでいくと更にこれが深まる)
彼さえ、私は(このいい人の仮面の下に・・・)と疑っていたが、ここは違っていた・・・
そして、予測が当たっていたと言っている私も、最後の最後はわからなかった、まさかこういう・・・

・・・・
前半は2015年の老人ホームで一人の老婦人そこにが訪ねてくる夫もいて、病を得ながらもそれなりに幸せに暮らしている、という部分と、1985年の二人の女性が出会う職安という部分が交互に出てくる。
交互と言っても、1985年の方が圧倒的に多いのだけれど。

職安で二人の女性が取り違えられた。
そのミスから二人の女性葉子(ようこ)と希美(きみ)は急速に親しくなる。
彼女たちは偶然同じ生年月日だった。
そして、希美の紹介で、ある裕福な旧家のお手伝いさんとして雇われることになった葉子。
葉子には、両親が死んで寡黙症になって言葉を発さない4歳の甥達也がいた。
その家には、元中学校教師の難波先生がいて、彼が親身に達也に話しかけてくれる。
また、希美と幼馴染という独身の由起男がいて、彼も達也を可愛がってくれる、いつしか葉子は大きな会社の社長である由起男に心を寄せていく・・・


由起男の登場の仕方が実に独特である。
彼は、元中学校教師の死んだ奥さんの最初の結婚で手放した子供だった。
彼を探し当て、再び奥さんは安らかな時を経て、亡くなったのだった。
由起夫は、物静かだが非常に頭が良く、会社経営を任されても堂々とそれを軌道に乗せさらに発展させていく才覚があるのだ。
一見覇気がないように見える由起夫が夜中の電話で呼び出され、いつも床を離れることを知った葉子は、ひそかに彼に愛する人がいるのではないかと疑心暗鬼になる・・・

何しろここに行きつくまでの葉子の生い立ちが悲惨である。
結局金貸しから夜逃げしてしかも血がつながってるとはいえ、愛情が薄い甥の達也を背負って生きていかねばならない苛立ちが常に彼女にはある。
彼女と謎めいた美人の希美の友情にも目を奪われる。
希美の素性はよくわからないのだが、葉子をハコと呼ぶなど二人の間はいつも温かいものに満ちていて、笑いに溢れているのだ。

一章の終わりで、あれ?と思う。
一体この後どうなったのか。
これは何だったのか?
全員が焦ったのは何だったのか?

・・・
そして第二章。
がらっと筑豊の場所に場面が変わる。
悲惨以外の何物でもない炭鉱が廃坑になった場所で生き延びる術をどうにか身につけ、頭のおかしくなった父を抱え弟妹を抱えていく極貧の中でけなげに毎日を生きる一人の少女の話が出てくる。
読んでいてあまりに悲惨な状況なので胸が塞がれる。
そしえtここで、(あ!やっぱり!)と思うのだ、これは隠された彼女の話だと。
そしてそれは途中で明かされる、彼女の本当の名前とともに。
更にここでもう一人も登場し、更に更に多分もう一人も(ここも読んでいると想像がつく)

また急展開があり・・・

・・・・
第三章は東京に出てからと、真相が全てある一人の人物の視点で描かれていく。
ああ・・・だからだったのか。
だから逃れられなかったのか。

この話、悪人が悪をする、という部分も勿論あるのだが、悪人ではなくある事態が起こってやむを得ず悪人になってしまう悲しい人間のさが、のようなところを描いていると思った。

(全く内容とは関係ないけれど。
表紙が暗く地味で(二人の学生はいいんだけど色合いが・・・あとカラスは確かに重要だけれど・・・)、しかもこのタイトル。手に取りづらいとは思う。
タイトルの意味が分かってからは、このタイトル以外にあり得ないし、なんていいタイトルとは思うものの。
なんだか惜しい、とても面白い作品なのに。)

以下ネタバレ
・極貧の筑豊の場所で、殺人をやむを得ず犯した二人。
ユウ(由起夫)は、自分の実の父で金貸しのどうしようもない男を殺し
希美(のぞみとこの時代は言っていた)は、自分の実の狂った父を殺し
二人とも陰惨な殺人者だったのだ。やむを得なかったとはいえ。
そしてユウが殺したのをこの時代に筑豊にいたのちの加藤弁護士が見ていた。
それをもとに脅迫されて、ユウは、『偽者』に成りすまし、義理のお父さんの難波先生の前に現れる。
ちなみに、難波先生はこのことはとっくにわかっていたのだが、知らない振りを最後までした。
☆もしかして由起夫がなりすましかもしれないというのはわかるところ(よくミステリであるので)

・夜中に由起夫に電話をして助けてと言っていたのは希美。
彼女は加藤弁護士の言いなりになるしかなかったのだった、肉体的にも。
☆呼び出しが希美というのもわかるところ。この二人が男女の関係っぽくないのだが、どういう関係か、何か強烈な結びつきがあるかというのがわかるところ。

・加藤弁護士は、難波先生を閉塞した空間を作って殺してしまう。
しかし、これを葉子は誰かの仕業と見抜き、由起夫ではないか、と思ったのだった。
そして物言わぬ達也にこのことをつぶやくのだった(これがのちに達也が由起夫を殺す遠因になる)

・最後、加藤弁護士の車に乗り込んでしまった葉子。
由起夫は車に仕掛けをしていたので、慌てるのだがもう遅い。
そして葉子も加藤弁護士も死んでしまう。

・そして葉子にそのまま成りすますのが、希美。
なので、老人ホームにいるのは、一瞬最初の方で葉子と思えるが、最後になって希美だとわかる(葉子と名乗っているけれど)
☆ここは初期に割合わかるところ。

・最後老人ホームで働いていて成長して養子にやられていた達也が渡部さんとして登場する。
これはわからなかったところ。
何しろ緘黙していた子供なので、今普通以上にしゃべっている渡部さん、というのが目くらましになっていた。