11月の読書メーター
読んだ本の数:38冊
読んだページ数:10277ページ

退出ゲーム退出ゲーム
初野晴さんがこんな青春学園ミステリのいいのを書いたのか、という嬉しい驚きが。4つの話のどれも素敵なお話で大好き。表題作とラストの一編は社会派の視点も含まれ味わい深い。ミステリとして好きなのはクロスキューブ。とにかくも登場人物のキャラクターがどの人も魅力的。ところで先生の過去も知りたいし、続編を是非にと熱望。
読了日:11月29日 著者:初野 晴
明日の話はしない明日の話はしない
後味が限りなく悪いし、私の嫌いな要素がテンコ盛り、おぞましいところもある(特に2話)ノワール小説なんですが、が。しかし最後うまい!と思いました。病院の話が他の話に比べ細かい描写の意味がラストの収束でわかりました。この人達があだ名である、または氏名であっても色々とある、というところにこの小説の妙があると思ったり。
読了日:11月29日 著者:永嶋 恵美
スリーピング・ドールスリーピング・ドール
熟練技のディーヴァーなので安心して読めるどんでん返し(っていうのも変だけど)。今回はウォッチメイカーのダンスさんがメインキャラクターなのでまた新基軸でうっとり。犯人も心理戦、追う側も心理戦。このやり取りが限りなく楽しい。ライムシリーズとまた違った楽しさが私はあると思いました。
読了日:11月29日 著者:ジェフリー ディーヴァー
切羽へ切羽へ
大好きでした。派手な展開の話ではないのにある島の夫ある女性が都会から来た先生にふっと心を奪われていく様子がそれはそれはエロティックで匂い立つようで。湖の波紋のように、一つの出来事が次々に別の出来事を引き寄せていく様が静かながらどきどきしました。そして切羽の意味におお!上質な大人の物語。
読了日:11月20日 著者:井上 荒野
超短編を含む短編集 枝付き干し葡萄とワイングラス超短編を含む短編集 枝付き干し葡萄とワイングラス
可愛らしい、と言ったらいいのだろうか。短い短編から超短い超短編まで。好きだったのは『プールサイド小景(仮)』『表題作』『どじょう』『風邪』『夜のドライブ』。結婚した人たちのあれこれ編。
読了日:11月20日 著者:椰月 美智子
ニッポンコン・ファイル (2007)ニッポンコン・ファイル (2007)
世界SF大会(日本開催)一資料、と思いました。ミーハーなことを言えば、アイリーン・ガンの素顔を見て、お!と思ったり、山本弘さんが子供のためのSF教室で苦戦しているのを大変だなと思ったり。行った人なら更に楽しいのだろうなあ。
読了日:11月20日 著者:日本SF作家クラブ,小松 左京
時間封鎖 下 (3) (創元SF文庫 ウ 9-4)時間封鎖 下 (3) (創元SF文庫 ウ 9-4)
読んでいる間中心を奪われ続ける小説。三人の友情と愛情がそれぞれの心理と人間模様とともに克明に描かれ。そしてスピンの存在から第四期まで進行する物語。SFという枠だけどそれ以上を持っていると。ああ・・二部が読みたい・・第四期・・・
読了日:11月20日 著者:ロバート・チャールズ・ウィルスン
時間封鎖 上 (1) (創元SF文庫 ウ 9-3)時間封鎖 上 (1) (創元SF文庫 ウ 9-3)
本格SFとあったので、一歩も二歩も引いていましたが。読み始めたらあまりに面白く読む手が止まりません。地球の周りにシールドが張られ、地球と外との時間の流れが違う、という設定に震え、これを利用した火星への目論見にもどきどきし。ああ・・下巻はいかに!
読了日:11月20日 著者:ロバート・チャールズ・ウィルスン
造花の蜜造花の蜜
大好きな作家で、読ませる技は相変わらず健在。いわゆる単純(でも不思議)と見える誘拐が二転三転する面白さが。しかもラストのあの爆発ぶりは!なんですが、全体を俯瞰してみると印象がなんで薄いんだろう、と今茫然としているところ。
読了日:11月19日 著者:連城 三紀彦
ガリレオの苦悩ガリレオの苦悩
映像がちらつくのはもう仕方ないかなあ。この中で『操縦る』の全ての謎が解けた先の話、が好きでした。そこで苦しむ福山、、じゃなくガリレオ先生に萌えてみたり。
読了日:11月18日 著者:東野 圭吾
孕むことば孕むことば
子育てと本にまつわるエッセイとの融合体。鴻巣さんなのでそこは本の話の部分が抜群に良い。チェーホフ、ジョイス、レベッカ・ブラウン、ポール・ボウルズ・・・「い」か「き」か?には個人的な驚きが。コレクションズを読みたくなった。
読了日:11月16日 著者:鴻巣 友季子
生きてるだけで、愛生きてるだけで、愛
強烈なキャラクター女子というのは相変わらず。一見温かいバイト先からぶっ飛んだ行動に出る場面が秀逸すぎる。こういう話なのにそこここに笑いがあって。病気、ということが前面になかったらどうなんだろうなあとは思った。
読了日:11月16日 著者:本谷 有希子
推理日記11推理日記11
現代推理小説への批評集。辛口系だが佐野さんなのでもう全てが許せるし頷ける。道尾さんの評価が高いのに満足し、推理小説作家ってこういう読み方をするんだというのにも目を開かされた。
読了日:11月16日 著者:佐野 洋
月蝕姫のキス (ミステリーYA!)月蝕姫のキス (ミステリーYA!)
ま。この主人公男子に好感が持てるかどうかが好悪の鍵。
読了日:11月15日 著者:芦辺 拓
風神帖―エッセー集成1 (エッセー集成)風神帖―エッセー集成1 (エッセー集成)
父福永武彦についての随想部分とその作品についての随想が読んでいて私は面白かったな。あと辻邦生とか久々に思い出して読み返したくなったよ。あと須賀敦子に対しての目が鋭いと思った。ただ・・どうなんだろう、アイヌ民族の話とか書評ばかりではないところは。書評のみのエッセイでも良かったかも。
読了日:11月15日 著者:池澤 夏樹
ムントゥリャサ通りでムントゥリャサ通りで
ある男が知り合いのボルザ少佐の家に行く。ところが・・・。捕らえられてからの男のアラビアンナイトのような話が話を呼び込むところに魅せられる。幻想小説なのだが、ラストまで読んで、驚愕。ミステリ要素もあったという・・。ただ、再読しないとこの超絶技巧小説私には理解が曖昧かも。いやあ・・でもでも面白い!迷宮への扉といった小説。
読了日:11月15日 著者:ミルチャ エリアーデ
鉄の時代 (世界文学全集 1-11)鉄の時代 (世界文学全集 1-11)
恥辱、をあちこちで思い出した。アパルトヘイト体制下で暮らす白人老女の手紙。やわな感想の言葉が出にくいけれど、胸に響いた一作。どの場面も立ち上がってくる。孤独な老女の話を聞く人という設定がまたすごいのよね・・
読了日:11月14日 著者:J・M クッツェー
国語の時間 (河出文庫)国語の時間 (河出文庫)
久々に竹西さんを読んでこの人の随想好きだなあと思ったわ、やっぱり。これは日本語の言葉について静かに語っているのだけれど日常生活でのふっとした言葉に引っかかるって、文学者だったら当然だよね。ああ・・これがまだネットのない時代に書かれているので今だったら更に嘆くことが多いだろう・・・日本語って不思議で美しいことを改めて考えさせられた。
読了日:11月14日 著者:竹西 寛子
表紙はうたう―和田誠・「週刊文春」のカヴァー・イラストレーション表紙はうたう―和田誠・「週刊文春」のカヴァー・イラストレーション
読むって言うか眺めるって言うか。和田誠ファンなので、週刊文春の表紙を集めたこの本、楽しんだよ。やっぱり映画の表紙が私は楽しいかなあ。あと、犬と猫では圧倒的に猫の方がうまいと思った。毎週見てるのに案外こうしてみると忘れている表紙もあったり。すごいお仕事です。でも高すぎるね、この本。
読了日:11月13日 著者:和田 誠
カーヴの隅の本棚カーヴの隅の本棚
とても心惹かれる文章(嵐ヶ丘の女中論とか宿屋めぐりとウルフとか)がある一方で、ワインとの対比・・・私、ワインに興味ないのでそこが大変辛かったです。あと英語そのものをこの縦書きに記すって言うのが読みにくいことと言ったら!ちょっと専門的で学術的な面が多いかとも思った。なんか「部分」で非常に面白い本。
読了日:11月13日 著者:鴻巣 友季子
あやめ,鰈,ひかがみ (講談社文庫 ま 53-2)あやめ,鰈,ひかがみ (講談社文庫 ま 53-2)
内省、心の奥への沈潜、冥府への入り口。本当に心に染み渡る幻想譚でした。これが何?っていう人もいる一方で魂鷲摑みにされる人もいる。そんな小説。3つの話が独立しているかに見えて、お互いに侵食してるのがいいね。最初の「あやめ」は交通事故の男が歩いているところから始まるので、そこからしてもう幻が・・・
読了日:11月13日 著者:松浦 寿輝
聖女の救済聖女の救済
やっぱり東野さんの読ませる力みたいのは並外れている。トリックはなるほどではあるんだけど、初期段階で・・というのは思ったよ。あと犯人の心理は、松本清張のある短編を彷彿としたかなあ。それより何より屈折している被害者の心が私、よく理解できないんですが。
読了日:11月12日 著者:東野 圭吾
悪魔の涎・追い求める男 他八篇―コルタサル短篇集 (岩波文庫)悪魔の涎・追い求める男 他八篇―コルタサル短篇集 (岩波文庫)
ベリーグッド。ある写真をめぐる話の「悪魔の涎」も抜群にいいんだけど、他の作品も粒揃いだね。幻想と現実のあわいで両方がじわじわ溶け合う様がほんと読んでいて頭をシャッフルされるくらいの快感。ホラー色合いが濃い「占拠された屋敷」ほんの短い短編で忘れがたい「続いている公園」渋滞がこんなに面白い話にという「南部高速道路」が好きかな。
読了日:11月10日 著者:コルタサル
世界文学必勝法世界文学必勝法
一つ一つのコメントは少ないんだけど、読んでいるとどんどん読んでみたくなる、という世界文学。楽しく書かれているので、入門にはいいかも。読んだ本、の方が解説を読んでいて面白いとは思ったけれど。
読了日:11月09日 著者:清水 義範
フェッセンデンの宇宙 (全集・シリーズ奇想コレクション)フェッセンデンの宇宙 (全集・シリーズ奇想コレクション)
ハミルトン初読だけど、どの話も気に入りました。特に表題作の宇宙創造の話は秀逸だったし、美しい表紙になっているロマンティックな『風の子供』にぐっときて。ショートショートの『追放者』も大好き。あとラストの邯鄲の夢を思い出させる『夢見る者の世界』にもうっとり・・していたらラストでSF!か!の驚きが。奇想といってもわかりやすい奇想物語かな。
読了日:11月09日 著者:エドモンド・ハミルトン
江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉 (講談社文庫)江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉 (講談社文庫)
色がそれぞれ違うんだけど、書いてあることは悪意とか狂気とか執着とか黒い情念だよね。自意識が高い強烈女とか田舎と都会の対比とかそういうのも繰り返しここから出てきてるんだね。ラストは・・まさか少年物ホラーとは思いませんでしたっ!うわっ!
読了日:11月09日 著者:本谷 有希子
誘う森 (ミステリ・フロンティア (45))誘う森 (ミステリ・フロンティア (45))
ま。下戸にはそもそも・・・・
読了日:11月08日 著者:吉永 南央
古本虫がゆく―神保町からチャリング・クロス街まで古本虫がゆく―神保町からチャリング・クロス街まで
すごーーーく楽しかった!各地の古本屋、古本市が詳細な図とともに描かれていて。入手本まで手描きのイラスト。たまりません、こういう本って。本に対する愛で溢れているもの。特にすごかったのが下鴨神社の光景。森見小説片手に見ると楽しいかもね。
読了日:11月08日 著者:池谷 伊佐夫
みんな友だちみんな友だち
これはね、私は非常にツボだったの。最初の人身売買(それも男の子が年増に売られる話)のラスト三行の怖さと言ったら。あと表題作の教師の妄想の増幅振りと言ったら。予測不能のラスト、物語作り、そして奇想にちょっと転じるところがとってもかえたわ。ラストの解説にもあるけどある種の川上弘美も入ってるね。ある種の、だけど。
読了日:11月07日 著者:マリー・ンディアイ
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫 も 48-1)腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫 も 48-1)
強烈な自意識を持った東京で演劇をしている姉の澄伽が両親の訃報で田舎に帰ってくる!ここから物語が始まる。どの人の個性も炸裂していて緊張感漂う一冊。田舎と都会の強烈な対比も面白い。高校時代の屈辱っていうのが何かあとからわかるところも、あるものの真相がわかるところもグッド。これ読んでから偏路に行った方が良かったな。つながるよね。
読了日:11月07日 著者:本谷 有希子
偏路偏路
本谷さんの戯曲3つ目だけど、これが一番笑いの要素が多いかも。都会と田舎の対比とか、帰ってきた娘の心持ちとかニートの男とか現代問題を切り取ってるのに笑えるのは、それぞれの個性が際立ってるから。ぼっそりの言葉に色々笑わせてもらいました。父造型がすごいな。是非舞台で見たい。
読了日:11月06日 著者:本谷 有希子
ドウエル教授の首 (創元SF文庫)ドウエル教授の首 (創元SF文庫)
1926年のソ連SF。小学生の時にこういうのを思ったなあというような人造人間レトロSFなんだけど、とっても面白かったよ。首がしゃべる、首の胴体を探す、くっつける。ポポイ(倉橋由美子)とかサロメ(ワイルド)とかと一緒に読んだら更に更に興味深いかも。ホラーでもあるんだけどそこここで笑えるのも秀逸。
読了日:11月06日 著者:アレクサンドル・ベリャーエフ,原 卓也
スナッチスナッチ
ま。
読了日:11月06日 著者:西澤保彦
黒百合黒百合
ああ・・これはすごい。一見ある夏の日の恋物語にくるまれてるけれど、どの描写も気が抜けない。最後まで読んだらもう一度読み返したくなること必至。精緻な文章とそこに潜んだあることに驚愕。こういう推理小説大好き、そして傑作。
読了日:11月04日 著者:多島 斗志之
ラス・マンチャス通信ラス・マンチャス通信
この変てこな話が私は大好きだよ。ツボにはまった!最初の陸魚(意味不明生物)から強烈な『アレ』の存在から、施設から、『象さん』から『中澤家の物語』(民話の世界)から。荒唐無稽の悪夢の中を漂う奇怪な物語。ちょっと一つ一つのエピソードをもっと切らないで書いて欲しいという欲望もあったけれどね。
読了日:11月04日 著者:平山 瑞穂
死体を買う男 (講談社文庫)死体を買う男 (講談社文庫)
いいねいいね。表紙の二人は、左が乱歩で右が朔太郎なのです。作中作に二人の楽しい探偵話が。外側の作家の話が存在していて、それが最後溶け出して一つになる快感ったら!どんでん返し、いくつかは予想内なんだけど、最後は絶対にわからない!
読了日:11月03日 著者:歌野 晶午
火村英生に捧げる犯罪火村英生に捧げる犯罪
ま。鸚鵡返しは好き。
読了日:11月02日 著者:有栖川 有栖
七つの海を照らす星七つの海を照らす星
児童養護施設で起こる日常の謎系ミステリ。DVとかの社会的問題提起のテーマとミステリの絡み合いが私には・・・。ラストは驚いたけど。だからミステリとしては好みの部類だけど、全体だとどうなのかなあ。あと笠井さん指摘のように回文の存在意義が私にはわからないや。これからに期待!!
読了日:11月01日 著者:七河 迦南