2010.10.31 10月読了本
10月の読書メーター
読んだ本の数:33冊
読んだページ数:10921ページ

図説 密室ミステリの迷宮 (洋泉社MOOK)図説 密室ミステリの迷宮 (洋泉社MOOK)
とても楽しかった本!取り上げられているミステリの密室にそれぞれ図解があるところが優れてるし(多分作るの大変)、各本への言及も読んでいてわくわくするし、対談も実に読ませたし!推理作家があげた密室のこれは!というところが特に特に読んでいてわくわくしました。それぞれの人の思い入れがあり、それぞれの人の熱い思いがあり。早速未読の赤い密室を読んで唸っています(あげている人が多い)。あと本陣殺人事件の映画は見てないので見てみたいなあ!知ってる本にも知らない本にもどきどきするミステリ心がくすぐられる本でした。
読了日:10月31日 著者:
するめ映画館するめ映画館
偏愛の、だから、一般的な映画と言うよりかなりコアな映画の鼎談、対談でした。村上春樹ってたくさん映画を見てるんだなあということと原作にあたっているのがやっぱり文学者だなあと。映画のことで尊敬をしている和田誠の博覧強記振りは今回も尋常ではありませんでした。ミュージカルと野球映画のところは見ているものが多かったので、とてもとてもわかりました。別の部分ももっとわかるように映画を見て行きたいなあ!
読了日:10月30日 著者:吉本 由美
もしもし下北沢もしもし下北沢
嫌いじゃないの。知らない女性と突然心中して残された母子が、下北沢という猥雑な街で二人で立ち直っていき、またそこでの心の成長ぶりとかも読ませるのです。だけど、そこがばなな節と言えばばなな節なんだけれども、心情の説明が過多なのです。表も裏もなくべろっと全部言葉に出して説明してくれて語ってくれてしまう。寸止めが一切ないし・・・読者の想像力は入り込めないのです。その割に山崎さんへの思いも唐突に見えるし、新谷君とのことも納得したようなしないような。お父さんの夢場面とかいいのにね。あと数々の実名ってどうなんだろう・・
読了日:10月30日 著者:よしもと ばなな
琉璃玉の耳輪琉璃玉の耳輪
ま。
読了日:10月30日 著者:津原 泰水
少女禁区 (角川ホラー文庫)少女禁区 (角川ホラー文庫)
ホラー弱い私にもオッケーのホラー作品でした。最初のchocolate blood, biscuit hearts.は姉弟の禁忌の物語でありおとぎ話を巧みに取り入れながらそこにパソコンを組み合わせていかにも現代的なホラー作品でした。表題作は、驕慢な美少女設定がまず好みで、ひとがたに釘を打つというレトロな呪いの術から、最後に至るまで完全な異世界が非常に良く描かれていて堪能致しました。生贄とか呪いとかこの古めかしさがたまりません。ただ、ラストが惜しい、この一行があるために現実に戻ってきてしまうもの。
読了日:10月30日 著者:伴名 練
サニーサイド・スーサイドサニーサイド・スーサイド
くっきりと評価が分かれるだろうなあ。元々作者のファンなこともあり私は好きです。青春ミステリの青春部分が強く出ていて中に仕掛けがある作品。最初「不幸予言ありき」としているところがリバースで慣れていたし。その後は同じ場面の描き方が読ませると思いました、この時飛び出していったのはこういう状況だったのか、とか、この時目が真っ赤だったのはこうだったのか、とか。尻尾を読んでると思うと頭を読んでいる感じで。誰が自殺をするかの探索は無能探偵(失礼)だけど、最後の真相を見て最初から読み返すと別の所に着眼点が行くかな。
読了日:10月30日 著者:北國浩二
砂漠の悪魔砂漠の悪魔
最初青春の恋愛の挫折の話かと思ったら、一気に中国への逃避行になり、そこでまた新たな殺人に巻き込まれ・・・・。途中の中国行きの列車の逃避行につぐ逃避行とか、なぜこの中国にいた日本人がサポートしてくれるかとか、中国の政治状況を踏まえた緊迫感は面白かったのです。しかし最後にこの大打撃。解決してないことがこれで全てチャラっていうのが何だか無理矢理ねじ伏せられたような気持ちです。やくざは?両親は?桂は?あの殺人は?文句言えないんですよね、最後のこれで・・・。転落ぶりに佐藤正午の「身の上話」をふっと思い出しました。
読了日:10月25日 著者:近藤 史恵
勝手にふるえてろ勝手にふるえてろ
前作の「夢を与える」よりはいいとは思ったけれども・・・。前半の学生時代のイチへの想いみたいのはとても面白く読みました、ミクシィの話はちょっと怖かったけれども(イタ過ぎません?)。だけどニの話と後半の妊娠の話と、そのあたりからかなり失速気味に見えました。読めるけれどもあえて読むかといわれれば、ううぬううぬ・・・。あと26歳OLという設定で、どうしても作者とオーバーラップされるだろうというところがこの作者の不幸であるかも。
読了日:10月25日 著者:綿矢 りさ
湖は餓えて煙る (ハヤカワ・ミステリ1839)湖は餓えて煙る (ハヤカワ・ミステリ1839)
好き。ミステリとスポーツと何よりも主人公の屈折した気持ちがさまよう青春時代への回想場面が猛烈に好みでした。ある種の痛みを持って故郷を出て行く主人公ガス。過去そこで少年達にアイスホッケーを教えてくれた町の名士の父のようなコーチ。過去のコーチの死の真相が自分を見つめなおすことになる・・・・ホッケー場面描写が卓越していて、更に街の人々の隠された思いが噴出してくるにつれ、とてつもなく苦い真実にぶちあたり全てが氷解するあたりも読んでいて面白かったです。人数が多いのに混乱を感じさせないほどの描写がすごいね。
読了日:10月25日 著者:ブライアン・グルーリー,青木 千鶴
黙祷の時間 (新潮クレスト・ブックス)黙祷の時間 (新潮クレスト・ブックス)
話としては若い男性が(18歳の学生)年上の女性(先生)に恋するという話なのです。この話、先生が死んでいるところから始まっているので、途中回想場面が入り、現実がありとこの書き方は見るべきところがあると思いました。場面場面で美しくて取り上げたいような場面もあります。また背景ともなる静かな静かな海の様子も心に突き刺さりました。が、少年の心模様が私には今一つぐっと迫らず、更に女性教師の方はもっと謎であったのです。繊細過ぎて小説としてのある一線を越えたように感じました。結局私の期待した恋愛小説ではなかったのかな。
読了日:10月25日 著者:ジークフリート・レンツ
狂風世界 (創元SF文庫)狂風世界 (創元SF文庫)
これでもかこれでもかと風が吹いていて。もしかして火とか雨とかそういうものより人間が馬鹿にしちゃいそうな風なのですが。狂ったようにこうして吹いていると人類は地下に潜らざるを得ないんだなあと。この世界の中でも愛し合う男女がいて、また助かろうとピラミッドを作ってしまうお金持ちがいて、と人間ドラマはあるのですが。ラストがとてもしみじみしました。火は消さないとおさまらない。雨もやんでから引くまでが時間がかかる。だけど風って終われば終わりなのだなあと。途中日本での風状況報告が悲しいものがありました・・
読了日:10月25日 著者:J.G.バラード
なくしたものたちの国なくしたものたちの国
とてもいい小説でした。途中の駅の保管庫に置いてきぼりにした子供を捜しに行く場面など、小川洋子的世界も感じられ不思議ワールドでありながらもしかしてあるかもという気持ちを抱かせるようなそういう読み心地にさせてくれました。これを読んでから自分がなくしたもの(チョークとか気に入ったお人形とか小学校の水泳帽とかリリアンとか縄跳びとか)をずうっと考えています。あれはどこに行ったのでしょう。今でもこういうなくしたものたちの国にいたら嬉しいんだけどな、そしていつか会いたいな。
読了日:10月25日 著者:角田 光代
獣の奏者 外伝 刹那獣の奏者 外伝 刹那
最後の上橋さんの後書きで、この恋愛話を途中に入れなかった理由というのが痛いほど分かりました。本編の獣の奏者の世界が確立していて崇高なまでの物語が存在しているからこそ、この外伝が存在し得る訳です。恋愛話と初恋の話なのにあくまで格調高く、私達が生きるとは何か、動物と人間が自然の中で生きるということとは何か、を深く考えさせられました。生きとし生けるものに降り注ぐような作者からの愛情の眼差しが感じられました。エサル師の物語が実に私には意外で読みごたえがありました。この全篇を小中学校の課題図書にすればいいのに。
読了日:10月20日 著者:上橋 菜穂子
失踪家族 (ヴィレッジブックス)失踪家族 (ヴィレッジブックス)
面白かった!私、こういう話大好物です。ある一人の少女が寝ている間に家族(両親と兄)が突然いなくなってしまう・・・。これだけの恐怖ってないだろうと思いました。そして時がたち真相が明らかにならないまま年齢を重ねる女性。自分が捨てられたのか、それとも家族が殺されたのか。人称が「わたし」であってそれが女性の夫というところも評価できます。第三者目線なので、夫が(もしや妻の自作自演?)と思うところなど読者側も同じように思うのです。真相の開き方もいいし、また女性の戸惑い躊躇い、心の葛藤などもとても読ませました。
読了日:10月19日 著者:リンウッド ・バークレイ
アイルランド・ストーリーズアイルランド・ストーリーズ
大変よく出来た短篇集でした。練りこまれた文章とラストまで緊張感を失わずなだれ込んでいく収束ぶりは熟練技でした。いつも思うのですが、トレヴァー作品って、「読んだ当初」よりも「読んでからだいぶたって」から思い出すことが多いのです、日常の折々で。この短編小説群の中で特に好きなのは、奇跡の聖母像を案内する時に起こった事件にさいなまされる男の話「女洋裁師の子供」(ラストの数行が緊迫の状況を更に高みにしている)、何年かぶりで故郷アイルランドに戻った男の涙を見る話「聖人たち」(奇跡の物語)でした。
読了日:10月19日 著者:ウィリアム・トレヴァー
ブラックランズ (小学館文庫)ブラックランズ (小学館文庫)
家族の再生を願うスティーヴンがもうけなげでけなげで泣けました。愛されたい子供の飢えを感じたり。更にかつて殺された叔父の遺体を捜す12歳の子供と、猟奇殺人犯との「往復書簡」というところにこの小説の読みどころがあると思いました。そこから派生するあれこれ・・・いつも自分をあとにして、友達とか母とか祖母を考えてあげるスティーブンの心の切なさ、いつか笑い合える家族にしたいという気持ちの一途さ、そして犯人との奇怪なやり取りが読ませました。ただ、子供が家族再生を願う話、というのは、流行なのかなあとは思ったけれど。
読了日:10月19日 著者:ベリンダ・バウアー
これよりさき怪物領域 (ハヤカワ・ミステリ 1259)これよりさき怪物領域 (ハヤカワ・ミステリ 1259)
非常に楽しんで読みました、こういう推理小説は大好物です。話は割合単純で、「失踪して殺されたらしい男」が数ヶ月たったので、妻から別れ話が裁判所に訴えられている、一方で男の母は絶対に帰ってくると言って聞かない、裁判の間に人間模様が出てくる、と言う話です。裁判の過程、傍点の多さ、そしてラスト収束に向かっての驚きの展開。何と言っても表題がとてもとても意味があり、パンチが効いていました。浮かび上がってくる村の人たちの心理、とか行動とか、読んでいてスリリングでした。いかにもミラーらしい作品。
読了日:10月13日 著者:マーガレット・ミラー
隻眼の少女隻眼の少女
ま。
読了日:10月13日 著者:麻耶 雄嵩
おとぎのかけら 新釈西洋童話集おとぎのかけら 新釈西洋童話集
西洋のおとぎ話を現代日本に移し変えて・・と言う試み。読みやすいけれども、これって結構あると思うのです、チャレンジしている作家さんが。なので、どうしても既視感が免れませんでした。「毒」と「幻想」とは違うので、これは幻想の物語というより毒が含まれている物語、という部分を強く感じたかなあ・・もっともっと幻想風味が強くていいかも。「凍りついた眼」とかは掘り下げれば更に面白い作品になったと思いました、最初と最後が呼応しているところが面白いし。
読了日:10月13日 著者:千早 茜
時の地図 下 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-2)時の地図 下 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-2)
第二部の終結で、またしても、え・・・こういう話なの・・と言う驚きが。タイムトラベルを請け負う会社があり、その顛末が語られております。この小説、第三部で全てがひっくり返るくらいに抜群の面白さになだれ込んでいきました。そこまでの色々の謎、不満、が一気に氷解して行く快感がありました。最後の方で文豪が三人揃い踏みするところも文学好きにはたまりません。どこをどう書いてもネタバレに抵触しそうなので書けないのですが、仕掛けに満ち満ちていて非常に楽しめる小説、でありました。(H.G.ウエルズの小説を再読したくなるかな)
読了日:10月12日 著者:フェリクス J.パルマ
時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-1)時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-1)
一部では19世紀末のロンドンで自分の娼婦の恋人を殺された大富豪の息子が、時間旅行社に行って切り裂きジャックを捕まえようと意気込んでいるのですが、その旅行社未来にしかいけないのです。で、ウエルズが出番になるけれど・・。一部でのラストに、え・・・こういう話なの?これは?という驚きが。読みやすくさくさくと読めるのですが、話の着地点がこれかと。思ったのとだいぶ違うぞ、と。H.G.ウエルズのしたこと・・・そして切り裂きジャック・・・。本文中に見え隠れする神視点も非常に気になりました。そして第二部三部に突入・・・
読了日:10月12日 著者:フェリクス J.パルマ
愛おしい骨 (創元推理文庫)愛おしい骨 (創元推理文庫)
森に一緒に行って戻ってこなかった弟の骨が20年ぶりに少しずつ戻ってくる・・この衝撃的な出だしで始まるこの小説、視点がどんどん変わっていき街の人々の鬱屈や秘密のようなものが浮き彫りにされていくところが面白く読めました。犯人が誰かということそのものよりも、気が狂い掛けている判事、臭気まで発している異様な図書館司書、一つずつ街の過去を洗っていくイケメンの兄、魅力的なでも蹴飛ばす女性、そしてハンナ・・・挫折感を心に持っている人たちの集合体が圧倒的でした。そしてジョシュがなぜ・・というのがある一点でわかった時・・・
読了日:10月09日 著者:キャロル・オコンネル
セカンド・ラブセカンド・ラブ
「イニシエーションラブ」を読了してこれを読んでいる人、読まないでいきなりこれを読む人、では読み方が全く違うと思いました。なぜなら、イニシエーションラブで騙された!!!と思う部分の大きな箇所を絶対にこのセカンドラブでも読み込むと思うのです、既読者は。私もそうでした、今度は騙されないぞ!と鼻息も荒く。その面白さがまずあって、途中のお得意のだらだら恋愛と性愛描写がありそこを乗り越えると・・・途中の一つの謎は誰にでも比較的わかりやすいと思うのですが、ラストの4行、厳密には2行で、えええええ!と驚きましたよ、私は。
読了日:10月09日 著者:乾 くるみ
白銀ジャック (実業之日本社文庫)白銀ジャック (実業之日本社文庫)
ま。
読了日:10月09日 著者:東野 圭吾
マリアビートルマリアビートル
堪能しました!新幹線という密室状態で、しかも次の駅に着くまでその中でしか動けない、でも駅につくと別の人たちが乗ってくる可能性もある、というのを実にうまく使った傑作だと思いました。「王子」の悪意にやや辟易したものの(でもぎりぎりのところで保ってる)、いくつかの物語が錯綜してもつれてまた結びついていく、そしてそこに洒脱な会話がある、という伊坂幸太郎の安定路線で安心してこの話に乗っかり楽しめました。不運に見舞われる七尾に大爆笑してました。あと蜜柑檸檬コンビにも心惹かれました。グラスホッパーを再読したいですーー!
読了日:10月09日 著者:伊坂 幸太郎
僕は長い昼と長い夜を過ごす (ハヤカワ・ミステリワールド)僕は長い昼と長い夜を過ごす (ハヤカワ・ミステリワールド)
思いがけず案外良かったなあーと言う小説。死体が出てくる、悪者に追いまくられる、虐待の過去、とか暗い話でもありえるのに、主人公がそうではなくしているところにこの小説の妙があると思いました。ナタネさんがまたいい味を出しているのです。ナタネラブ!ラストの真実は私は驚いたけどそれほどぎょ!とするものではないものの、この小路さん小説そのものを表現するような温かみのあるラストで、心和みました。表題にもなってる体質の障害は、話にものすごく関係はないよね(多少はあるけど)・・・とは思ったけど。
読了日:10月09日 著者:小路 幸也
再生の箱 トクソウ事件ファイル(2) (講談社ノベルス)再生の箱 トクソウ事件ファイル(2) (講談社ノベルス)
好きな人は好きなんだろうなあ・・・この街が、ゴッサムシティーに段々見えてきました。キアラさん能力の意味が破滅の箱では今ひとつわからなかったけど、ここでは活躍したかなあ。なんかこんな感想しか出てこない。すまないすまない。私が読むのは失礼だったかも。
読了日:10月09日 著者:牧野 修
破滅の箱 トクソウ事件ファイル(1) (講談社ノベルス)破滅の箱 トクソウ事件ファイル(1) (講談社ノベルス)
読了日:10月09日 著者:牧野 修
破滅の箱 トクソウ事件ファイル(1) (講談社ノベルス)破滅の箱 トクソウ事件ファイル(1) (講談社ノベルス)
最初の話で、ええええええ!と驚愕しました。牧野修に慣れてない証拠・・・悪意の街の成り立ち、のような部分が面白いと言えば面白いかなあ・・・下巻に続く。
読了日:10月09日 著者:牧野 修
エアーズ家の没落下 (創元推理文庫)エアーズ家の没落下 (創元推理文庫)
半身、荊の城とは全く違った決着です。そしてラストまで読んでタイトルにもう一度戻るとThe Little Strangerが原題。巧みなのです、描き方が。じわじわと懐に攻め込まれてるような描き方が実に巧妙なのです。そして人それぞれに解釈があるだろうし、こうなんだろうと言う思いがあるだろうし。医師の語りという視点なので、この医師に注目して読んでいくと、途中で私は(え・・・)と思ったところが何箇所かありました・・
読了日:10月09日 著者:サラ・ウォーターズ
エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)
非常に面白く読みました。没落して隠れているように暮らしているエアーズ家の人々。そこに関わる一人の医師。医師視点で描かれていて家の微妙なズレ、怪異が描かれているのですが。この小説は読む人によっていかようにも変化する小説だと思いました。ストーリーテリングが相変わらず非常に巧みなので、飽きることなくぐいぐいと進んで行きます。以下下巻へ。
読了日:10月09日 著者:サラ・ウォーターズ
天地明察天地明察
時代小説そのものが全く私のテリトリーではないので、どうなることか、と危ぶみましたが・・・。これ面白かったです。最初の方の絵馬の場面でまず心惹かれ、永遠の師のような人に出会い(しかも実際の本人と対峙するのはずうっとあと)、星の運行を巡って日本を旅し、そして最後に暦に行き着く・・・。一つ一つのエピソードが際立っていて読了後も心がざわざわしました。それぞれのエピソードをもっと掘り下げて欲しいという気もしたけれど、そうすると長くなるし、これでまとまっているからいいのかなあ。
読了日:10月09日 著者:冲方 丁
ひそやかな花園ひそやかな花園
幸せな家族達の夏の集まり・・その集合が一体なんであったのか?というのが最初の方の謎、で話は進んで行きます。そして大人になったそのときの子供達が一人一人回想していく内、謎は解かれる・・・・この小説、とても心に響き感動しました。一人一人の造型もくっきりと描きこまれているし、その時の親の心情をあとで思い返すあたりもぐっときました。更に、生きていくことって、命って、家族って何だろう、と深いところまで掘り下げていたように思います。甘い夏の思い出から羽ばたいていく最後のさーちゃんへのスピーチが忘れられません。
読了日:10月09日 著者:角田 光代

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