四畳半王国見聞録四畳半王国見聞録
(2011/01/28)
森見登美彦

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評価 5

なんて面白いんだろう!
この面白さは、内臓のおなかの底をぐりぐりくすぐられるような面白さだと思った。
笑えるんだけど、ただただ笑うだけじゃなくて、ぐふっとおなかの底が痒くなるような笑いが漏れるのだ。
この話、単純に「汚い四畳半に住む男子大学生達の青春物語」としても読める。
数式から恋人の出現を解き明かそうとする阿呆もいれば(そして実際に恋人に出会ったりもする顛末も笑える)
ポルノの画像を取ることが出来る阿呆もいれば
マンドリン辻説法で相手の心に入っていく阿呆もいる。

また奇想天外な四畳半統括委員会があり、大日本凡人会があり、阿呆神があり、ブリーフ一枚の男(何度も出てくるイメージ)等の存在と馬鹿馬鹿しさにも笑えるのだが、
それよりも、もっと面白いのは
この四畳半に限りなく世界があって、そこに神様までいて、王国があって、妄想が跳梁跋扈する、というその側面が最大級に面白いのだと思う。

特に蝸牛の角の章の面白さと言ったらどうだろう。
ある一点から次の視点に移行する面白さ。
マンドリンから四畳半に繋がり底から甘い汁にいき、猫の額に流れ出し・・・というように縦横無尽にイメージが炸裂していく。

人を大変選ぶ作品でもあると思う。
そして好きな人は、(自分だけがわかる小説)と思って握り締めるはずだ。