4月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:5266ページ

ロマンスロマンス
ミステリとしてのびっくりは、ミステリ読みだったら何となく気づくところだと思います。もし気づかなかったら最後に驚けるのでそれはとても幸せなことだと。犯人が誰かよりその理由の方が重要。 ミステリ部分もですが、昭和8年の帝都で生きる退廃的な華族たち、そこに蠢く軍部の影、皇室のあれこれ、スパイ、共産主義、華やかな享楽的カフェー、と時代背景の描かれ方が読ませます。ロシア人の血を引く子爵清彬が素敵でうっとりしていたら、その親友嘉人もまた素敵。この二人が歩いていたら確かに目を惹くなあと、この二人にどきどきわくわく。
読了日:04月26日 著者:柳 広司
完全版 池澤夏樹の世界文学リミックス完全版 池澤夏樹の世界文学リミックス
刺激的でとても素晴らしかった一冊。最初、池澤夏樹のあの河出全集のことだけ?と思っていたら、そこから派生して、外国文学、日本文学、そして彼自身の著作まで縦横無尽に語る語る・・語り口がやや軽めなのは初出が夕刊フジという媒体だったからだと最後に分かりました。未読本はぐいぐい読みたくなるし、既読本は(こういう読みがあったんだ!>私の場合だったらロリータ)という新たな発見にもなるし、どこをどう読んでも素敵な本の紹介になっていました。 粗筋を書きながらその魅力を語るってとても難しいことなのにそれをクリアー。
読了日:04月26日 著者:池澤 夏樹
女子校育ち (ちくまプリマー新書)女子校育ち (ちくまプリマー新書)
これって読む人の立場によって違うと思った一冊。都内の女子校中心の話だから。痛いほどわかる!!!という部分があり大笑いするところもあるのですが、最後、こんなにパターン化していいの、という気持ちにもなりました、飽きたといっていいかしらね。途中で出てくるへんてこな男の人たち(進学校男子出身らしい)の座談会に、むっとしてましたが。ただ、各女子校の「色」というのは確かにあるだろうなあと。あとここにはあからさまに触れてないけど、校風と共に、厳然として「偏差値」もあるのですよね・・
読了日:04月26日 著者:辛酸 なめ子
二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
駄目男物語をあまり受け入れられない私なのですが、これがオッケーだったのは、この中年さえない男ハリー造型が、実にリアルで作家の悲しさを体現していて心惹かれたからでした。女子高生に指導される作家って・・でもでも何気なくモテモテなのですよね、この人。また周りの女性達も生き生きと描かれているのにも注目しました。作中作で、SFとかヴァンパイア物とかポルノとかあるのでお得感もまた。ラスト数章が私はとてもいいと思いました。
読了日:04月25日 著者:デイヴィッド・ゴードン
KIDS (角川文庫)KIDS (角川文庫)
ややこしいけど、乙一の原作を映画化して、その脚本があり、そしてそのノベライズがこれ。 だから乙一原作で小学生だった子供達がこうなるわけです。話としては傷を移していくとか、お父さんに移すとかは同じ。だけど決定的に子供ならではの孤独とか焦燥感とか頼りなさがちょっと欠けるのよね・・映画は知らないので、この本のみの感想ですが。
読了日:04月25日 著者:乙一,坂東 賢治,相田 冬二
小説を書く猫小説を書く猫
読んでいる間、心と体が痛かったです、張り裂けそうに。中山可穂の紡ぎだす文学というのは、文字通り、鶴の恩返しのように自分の身を削って紡ぎだしているんだ、というのがわかって、ファンとしては実に心惹かれました。あの作品がどのような背景でどのような心の血を流して生まれてきたか。そういうのを知る道しるべになりました。
読了日:04月25日 著者:中山可穂
ニッポンの書評 (光文社新書)ニッポンの書評 (光文社新書)
読了日:04月25日 著者:豊崎 由美
「絵のある」岩波文庫への招待「絵のある」岩波文庫への招待
とても楽しかったし、想像以上に読み込めました。そしてやられた!感も。やられた!感は、岩波文庫の絵が面白いというのにじわじわと気づいていたので、それをこうして本にされたというやられた!感。岩波文庫は敷居が高そうに見えますが、実は楽しい挿絵がテンコ盛りで、しかもカフカ自筆の挿絵とかの貴重なものもあるし、ドレ画もあるし、と、挿絵を中心に僕が本を読んでいきましょう企画のような本。作者の語り口も平明でいながら、味わいのある文章で寄り道すら楽しめる良書でした。たくさん読みたい本が出来たかな。
読了日:04月25日 著者:坂崎 重盛
最後から二番目の真実 (創元SF文庫)最後から二番目の真実 (創元SF文庫)
久々のディック作品。地上と地下に分断された世界で、地下に潜らされた人間はなぜ地下に入ったかというと上で核戦争が起こって放射能を逃れて地下にいるという設定。ところが・・という話。 映画の使い方とか洗脳の仕方とか、そのあたりがとても面白く私は楽しめました、人々の描き方も良いし、謎もあるし。 ただ、全面的に諸手を挙げての絶賛でないのは、たまに意味不明行動と思われる部分があるからかも。
読了日:04月25日 著者:フィリップ・K. ディック
いとま申して―『童話』の人びといとま申して―『童話』の人びと
微妙・・・かなあ・・・・。 北村薫の本当のお父様の話、というところで、まず個人的な感情が入るし、そこに興味がたっぷりある人だったら首を突っ込むのでしょうが。この時代の時代背景、有名人とお父様との出会い、金子みすずも入っていた同人誌の興亡、学生達の闊達な様子など読みどころもあるのですが・・・ これを小説で書いたらもっともっと違う感想が出たのに、と思います。
読了日:04月25日 著者:北村 薫
遠海事件遠海事件
好きだぜっ、ぜいぜいっ。ツボにはまりまくりの作品でした。最初のところで、間違った本を読み始めたと思いました、なぜなら・・・佐藤誠という人間がとんでもない殺人鬼なのですが・・・何を書こうとしても興を削ぐのでやめますが・・・出来たら予備知識ゼロで読むことをお勧めします。その方が最後の最後で驚けますから。ねじれたミステリを好みの人は好きかなあ。この形式にあえてした発想の豊かさと、最後の一行の衝撃に、う!
読了日:04月25日 著者:詠坂雄二
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
楽しい!この表紙から想像するよりもうちょっと固いというイメージ。だって紹介されてる本が、古書でありしかも漱石薀蓄とかあるし、そういうところが私は楽しめました。ミステリとしては弱いけど、そこがまた魅力かも。古書に精通している栞子さんの安楽椅子探偵っぷりが読ませます。ちょっとだけ文章に癖があるので慣れるまでに時間がかかったけれども。
読了日:04月25日 著者:三上 延
幻視者のリアル (幻想ミステリの世界観) (キイ・ライブラリー)幻視者のリアル (幻想ミステリの世界観) (キイ・ライブラリー)
作者のミステリ評を色々なところでとても楽しみにしていて、更に怪奇幻想ミステリ150選も大好きなので、これも楽しみにしていました。特に、皆川博子論が良かったなあ・・・。こういう分野ってなかなか評論がないのでありがたいことです。ただ、これは自分の責任だけれども、読んでない本がネタバレ警告で読めない、というのはちょっと悲しかったかも。
読了日:04月25日 著者:千街 晶之
アウルクリーク橋の出来事/豹の眼 (光文社古典新訳文庫)アウルクリーク橋の出来事/豹の眼 (光文社古典新訳文庫)
表題作のアウルクリーク橋の出来事が短いながらとても面白い作品でした。更に、解説が優れているのでそれを見るとまた新たな見方を教えてもらい、感激ひとしお。他の作品も知らないのが多かったけれど、どれも異界との隙間をばっとこじ開けて一瞬で閉じる、みたいな離れ業が素晴らしかったです。
読了日:04月25日 著者:アンブローズ ビアス
ふしぎ盆栽ホンノンボ (講談社文庫)ふしぎ盆栽ホンノンボ (講談社文庫)
タマキングが気になっているらしいホンノンボというベトナム盆栽に、全く興味がなかったのに、読んで行くうちに(もしかして興味があるかも?)(ある?)(あるよ・・・)と心が変化していくのが自分でも不思議でした。ひとえにこれだけくだらんことに邁進しているタマキングパワー。そこここで笑いながら読み進めていました。
読了日:04月25日 著者:宮田 珠己
ユリゴコロユリゴコロ
ともかくも、前半から後半の最初ぐらいまでが絶品で、ある手記を発見した男の人の話、なのですが、その手記の内容がぞくぞくするほど嫌な話なのです、ここらがとてもとても巧い。 後半、ややテンションが落ちるものの、どういうことだったのか、という真相は苦く辛いものでそこも心惹かれました。個人的には最後更にどん底に突き落としてくれてもいいと思った鬼です・・・
読了日:04月25日 著者:沼田 まほかる
終わりと始まり終わりと始まり
いいね。大変いい。詩なのに難解ではなく、すっと心に入ってきてしかも心に何かを落としてくれるそういう作品でした。しかも、この落ち着かない時期に、「またやって来たからといって 春を恨んだりはしない・・・・・」の『眺めとの別れ』は絶品で、声をあげて泣きたくなります。あんなことがあったのに、春はやってくるんだなあ・・・と思っていたところだから。
読了日:04月25日 著者:ヴィスワヴァ・シンボルスカ,沼野 充義
七人の鬼ごっこ七人の鬼ごっこ
作者大好きなので、最初から怖さに身をすくめながらわくわく・・だるまさんがころんだ、という子供の遊びと子供時代の記憶の欠落というのがミックスして、怖いこと怖いこと・・・期待通り。子供時代を探っていくという部分も読ませたし。瑕疵はあるものの、私は好き、こういうホラー&ミステリの融合作品が。
読了日:04月25日 著者:三津田信三
レヴォリューションNo.0レヴォリューションNo.0
始まりがここにあり、という話。だから未来を知ってるこのシリーズ読者にしてみれば、過去のこの一点から始まる、という感慨深さというのもありました。いつもながらのザ・ゾンビーズ男子友情とか理不尽な学校の様子とか楽しめたけれど・・・ただ、ちょっとだけ薄いかな、薄いというか弱いというか、エピソードとしても。
読了日:04月25日 著者:金城 一紀

読書メーター