2014.06.13 駄作
駄作 (ハヤカワ・ミステリ文庫)駄作 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2014/06/06)
ジェシー・ケラーマン

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評価 3.9

駄作、なんという大胆なタイトルにしたものだろう・・・
これが駄作という気持ちはないが、ものすごく面白かったか?と聞かれたら、どう答えるのだろう。

冒頭、非常に面白い。
途中も読ませるには読ませる。
が・・・・

かたや小説界で成功して巨万の富を得てしかも自分の好きな女性まで手に入れたかつての同級生親友のビル、
かたや学生時代は花形で学生編集長までしていて才能あふれている男だったが小説が認められず、今はお金にも困っている有様の男プフェファコーン・・・
全てを手に入れた、と思ったビルが死んだというところから幕が開く・・・
ビルの遺作を手にしたプフェファコーンは自作として売り出し、今度は自分がベストセラー作家になるのだった・・・


このあたりを読んで、(同級生の死後、苦悩しながら犯罪に手を染めた挙句に追いつめられる話)と王道のパターンを私は考えた。
が、
これは当たってもいるが当たってもいない部分もあり・・・

帯に奇想天外な物語というのがあるが、奇想天外っぷりも考えている範囲外に完全に逸脱している。
その逸脱を楽しめる人は幸いだ。
途中、スリラーというより、冒険小説であり、確かにぐいぐいと読ませはするのだ、どうなるどうなる?の興味が引っ張って行ってくれる。

ビルの結婚相手との情事というのも間に挟まれているが、ここも彼女がどう全体に関係しているのかという点も見逃せない。
また自分の娘の結婚、というのがかなり最初のほうに出てくるが、この結婚も非常に大事なファクターになってくる(娘婿のポールに注目)
追いつ追われつ、わけのわからないことにどんどんプフェファコーンは巻き込まれていく。ラスト、なんだろう?
突き放された感じがした、これはそういう類の小説だったのか。

以下ネタバレ
・ベストセラー作家のビルは、自分で書いているわけではなく、組織が書いていたという・・・
その中には暗号が仕掛けられているという、スパイ小説のような展開になった。
しかも盗作をしたプフェファコーンは同じ類の小説を書くことを義務付けられる。
西ズラビアと東ズラビアとの攻防があり、プフェファコーンの娘婿ポールもこれに絡んでいる。


・ラスト、この小説、ファンタジーなのか?
なんでいきなりプフェファコーンが島になっているんだろう?
は?という展開だった。