2014.10.27 殺人出産
殺人出産殺人出産
(2014/07/16)
村田 沙耶香

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評価 4.5

ものすごく惜しい。
発想とか面白いし、どちらかと言うとSF世界なのにこの日常が紛れ込んでいると言う違和感。
そのあたりが面白く描かれている。
それなのに、最後の部分がスプラッタにしか見えなくなるのは、枚数が足りないからだと思う。
枚数と言うより書き込み方か。
本当に惜しい、これだけできっともっといい作品ができるだろうに。

最初の頃は何の話か全くわからない。
このOLの世界が自分の現在いる世界とは違うのだ、ということがかなりしてからわかるのだ。
その開き方はぞくぞくする。

そしてそこでは出産ということが特殊なシステムになっている。
出産が愛の結末ではなく、全くの人口的なことでして、しかも人口減少に歯止めをかけるために、ある苦肉の策が国から提示された・・・・
街では昆虫食がはやっていて、語り手はそれに嫌悪感を持っているが他の女性は普通に食している・・・


昆虫食だけでも衝撃的だ。
それプラスこの社会システム、姉の秘密の衝動、ラストの衝撃、とこの枚数では薄まってしまう。
これだけの内容を書くのなら、もうちょっと書き込んで欲しい。
間違いなく面白く読んだのだから、私は。
他の作品トリプル、清潔な結婚も非常に面白く読んだのだが、これまた枚数が惜しい。

以下ネタバレ
・殺人出産の世界では
10人子供を生んだら、一人殺してもいいという法律がある。
なので誰か殺したい人がいる人は10人の子供を人工授精で生む「産み人」になる。
それは男性でも人工の子宮を作ってすることができる。
殺したい人と狙われた人は告知され、産み人のために差し出されなければならない。

姉は極秘裏のうちに産み人になるが
彼女は誰かを殺したいというより殺人衝動があるということで
産み人になったと言う病んだ人であった。