2010.08.11 嵐が丘
嵐が丘―戯曲 (1970年)

評価 5(飛びぬけ)

非常に面白いスリリングな戯曲だった。
原作に出ていない人たちも出てくる。
だが、基本はやっぱりヒースクリッフ(ここではヒースクリフではなくヒースクリッフ)であり、キャサリンなのだ。

話の根幹を押さえつつも、ともすればメロドラマにもなりかねない大作の戯曲化を巧みに劇にしている。
キャサリンの台詞を読んでいるだけでわくわくするし、ヒースクリッフの後半の無軌道ぶりも見事な表現になっている。

またラストの河野多恵子の解説もまた素晴らしい。
戦前は、ジェイン・エアの方が嵐が丘より先に出ていて人口に膾炙しているというのを知らなかったのでなるほどなあとそこも思ったし、また、肉体的にヒースクリッフとキャサリンが結ばれていないことへの話もまた非常に目からウロコだったのだ。