ロードス島攻防記

評価 4.8

刺激的で面白い本だった。
ギリシアのロードス島。
その島の興亡を描いている。

美しい豊かな自然を誇り、温暖な島ロードス島。
そこは軍事において重要な拠点でもあった・・・
キリスト教とイスラム教のはざまにいる島。
そして
この島は、オスマントルコにとっては喉元のトゲのような存在だった。
攻め込むオスマントルコの軍勢は20万人。
守る側のヨハネ騎士団は600人。
1522年夏にオスマンのスレイマン大帝が戦争の火蓋を切った・・・

・・・・
ヨハネ騎士団がここに住み着き、病院などを作っている。
彼らがただ戦うだけの戦士ではなく、騎士団としての誇りを持っていたというところも読んでいて面白かったのだ。
またオスマントルコからの攻撃に備えて、城作りをする時に、ヴェネツィアから有名な技師マルティネンゴを呼び寄せる。この作戦が非常に効果的だったのは最後の方まで彼の采配が功を奏していたからだ、結果的に負けることになっても。
三人の騎士アントニオ、オルシーニ、ラ・ヴァレッテの姿が生々しく描かれている。
またトルコのスレイマン大帝の動きも同時に描写されている。

ただ。
この本、途中が小説であるのに小説らしからぬ本でもある。
あまりに淡々と書いているので史実なのかこれは小説なのか、ややそこらあたりの手法が定まっていない気がした。
守るもの、攻めるもの。
どちらの側にいる青年も自分の職務を全うしていくというヨーロッパでの立ち位置のようなものを強く感じたのだった。