勝手にふるえてろ勝手にふるえてろ
(2010/08/27)
綿矢 りさ

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評価 4.2

すごく良かったかときかれれば違うのだが、前の夢を与えるよりははるかに良かったというのが印象だった。
この26歳処女独身OLの恋の話だが、
最初の方の中学校でのイチへの想いみたいのはとてもとてもその部分はわかった。
ちょっとした独特の言い回し、独特の視点、独特の会話などは読んでいて、読むべきところがあったように思う。
イチ、がいるから、会社で自分を好きになってくれたニがいる。
両方とも名前は出てこない。
においまで気になってしまうニ。
好きになれるだろうかとためらうニ。
その一方で、無理矢理嘘をついてまで(ミクシィに別名義で登録して同窓会を企画)イチと会いたい女性。
イチを主人公とした漫画を描いて、それに学校時代気づいてもらえず、卒業してからの集まりでようやく告白できた女性。

後半、話がOLの可愛い同僚に裏切られ、自分が処女だということをニにぶちまけられていたことを知りやけになっていく女性がいる。
このあたりで話が失速しているように見える。
イチはどうしたんだろう。
影も形も見えなくなって、心の移ろいみたいのもなんだかわからなくなってくる。

途中から
・頭がちょっといかれていて、粘着質のストーカーで、我が儘なOL
と見えてくるのが不思議だ。
そこまでは、
・過去を引きずりながら必死に生きているけなげなOL
っぽく見えていたのだが。

これって作者綿矢りさが26歳で美人で、この小説の主人公が26歳と言うところでどうしてもオーバーラップして読んでしまうだろう。
そこが作者の不幸と言えば不幸なんだろうなあと思った(作品と全く関係ないことなので)
この作者、思い切って、老人とかそういうのを書いてみたらどうだろう。

以下ネタバレ

最後、ニの名前が明かされる。
非常に意味深く明かされるけれど、かといってそれで終わりなのだ。