2010.10.30 瑠璃玉の耳輪
琉璃玉の耳輪琉璃玉の耳輪
(2010/09/10)
津原 泰水

商品詳細を見る


「三姉妹を探して下さい。手掛かりは、三人とも左の耳に、一粒の琉璃玉が嵌った白金の耳輪をしています」

評価 4.5

もうちょっとわくわくすると思いきや、意に反して乗れなかったというのが本音だ。
これを読んで江戸川乱歩はまず誰でも思うだろう。
古きよき時代の探偵小説の様子を取りながら、薄幸な三姉妹の耳についた耳輪をめぐって話は進んでいく。
同性愛あり、人格変異あり(ここはまさに江戸川乱歩の少年探偵団物語ばり)、
更に、サーカス団あり、阿片窟あり、サーカスでの揉め事あり、スリ集団あり、色好みの伯爵あり、失明した目の中の義眼の文字あり(これは007の義眼シーンを思い出した)、
人のほうでも、ベールの女性あり、暗躍する探偵あり、刑事あり、悪漢あり、男装の麗人あり、変態性性欲の男あり、ともうそれはそれは多彩なのだ。
そしてラストにおいてある、なぜ三人のばらばらになってしまったを集めて欲しいか、それも春の日に、という謎が待っている。
だから面白いと言えば面白いし、褒めどころというのもたくさん見つかるのだが・・・・

この小説、後半の方が圧倒的に面白い。
幻視部分が入ってくるし、津原泰水本来の文体が出てくるから。

以下ネタバレ
明子が一番面白かった。
彼女中心でもいいくらいの多重人格ぶりで、それぞれの人格にのっとられそうになるジレンマのようなものが読ませる読ませる!