夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです
(2010/09/29)
村上 春樹

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評価 4.9

大変面白く読んだ。
村上春樹へのインタビューがずうっと続いていく。
それは1997年から2009年までなので、まだこの時期発表されてない(というか生まれてもいない)作品があり、その作品がもう既にあるということを読者は知っているので、そういう意味でも読み応えがある一冊だった。

ある作品への解釈が読者それぞれにあるとして。
それがもう作者の意図を離れたところであるとして。
特に村上作品はすっきり終わるという作品が少なくないので、余計に解説本とかが出てくるのだろうが、そういうわからなさへの作者自身からの言及というのもまた読ませたのだった。

・ノルウェイの森で最初から3人殺す計画だったこと
・スプートニクの恋人を大変気に入っていること
・最初に読んだ英語小説がロスマクのわが名はアーチャーだったこと
・海辺のカフカへの言及
・彼が作家になった経緯
・即興性を大事にしているということ
・文体にこだわっていること
・ドストエフスキーへの言及
・カーヴァーへの言及
・ノルウェイの森のヒットのあとの騒動
・彼の英語訳が三人いてそれをチェックするという作業があるということ(英語が出来る人なので当たり前といえば当たり前なのだけれど、なるほどと思った)
・推敲が多いということと最初の読者は今は妻だということ

彼の文学への真摯な態度というのが全篇に感じられた一冊だった。
そしてこれを持って、また作品群を読むと違った景色が広がるかもしれないと思うと楽しみになったのだった。
(ただ、インタビュー集なので話の繰り返しがややあるなあと、そこは気になったのだが・・・)