空き家課まぼろし譚 (講談社ノベルス)空き家課まぼろし譚 (講談社ノベルス)
(2011/01/06)
ほしお さなえ

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評価 3.9

ほのぼの、と言えばほのぼのだけれど、とても微妙だった。
なぜなら、次のような疑問があるからだ。
・空き家課という奇妙な部署を飲み込むのに時間がかかる。
(どうやら誰もすまなくなった建物を仲介し
何とかその建物に命を吹き込むと言う仕事らしい)
最初のところに書いてあるけれど、そして不動産屋との連携も書いてあるけれど、美観とはいえ、なぜ市が?というのを飲み込むのに納得の時間が要る。
建物を売るということに売る側が利益を考えるのは当然だと思うので、すとんと落ちない。
・空き家課で働く気の弱い男間宮明が、仕事の上で古い建物に行くことが多い。
そこに行って古いアルバムを蒐集する人間であることを受け入れがたい。
これって犯罪じゃないのか。
まだ「蔵にあった古書を引き取ったらそこにアルバムが紛れていた」
というのを拾ってくる、みたいのはわかる。
明らかに仕事で行った場所で、しかも持ち主が特定されるものを拾ってくると言うのがどうにも解せなかった。
・汀ちゃん、という子どもが写真を触るとその数分前に遡って、その光景がパノラマのように出ると言う超能力を持っているということが、条件が色々ついている。
その写した場所じゃなければ駄目だとか。
その割に、周りにいるメンバーが誰でもいいのか、とか周りは何人までオッケーなのかとかそのあたりは実に曖昧だ。

この中で、最初の話が一番いいかなあと思った、薔薇園のお話のロイヤルサンセットローズ。
ただこれすらも、なぜ突然業者に高く売る、といっていた子どもが急に変わったのかよくわからない(一応は書いてあるけどこんなことで変わるの?お金は欲しくないの?)

読んでいて後味があとよくないのだ、こんな美しいはずの物語なのに。

以下ネタバレ
・後味がよくないのは
妊婦が死ぬとか(しかもこれから義父たちと仲良くなろうとしている矢先に)
眼が見えない少女がこれからという希望を持った時に転落死するとか
じゃないかと思うのだが・・・・