君がぼくに告げなかったこと (祥伝社文庫)君がぼくに告げなかったこと (祥伝社文庫)
(2006/03)
図子 慧

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評価 4.4

禁断の男子寮物語。

最初から自分と兄弟同然のように育った内田という同級生が自殺するところから始まる。
育ててくれた祖母も死ぬ。
孤独な中で、義国は、ある男子学校の寮に入って、そこで友達を徐々に作っていく・・・

この話、ミステリといえばミステリの分野だろう。
なんせ、このあと、二学期の始業式に一人のクラスメートが転落死するし、それが自殺か他殺かと騒いでいるうちにもし他殺だったら疑惑の少年というのもまた失踪しているわけだから。
でも言っては何だが、ミステリより、この義国周辺の動きの方が面白い。
孤独でかつては苛められていたこともわかる義国が皆に受け入れられ、名門男子校の中で友情が芽生え、さらには禁断の愛情まで芽生え、ほのかな年上の女性への初恋もあり、そして最後の方では義母とも和解しつつある・・・・
というように一種の少年の成長物語だからだ。
その部分こそを私は面白く読んだから。