ストーリー・セラーストーリー・セラー
(2010/08/20)
有川 浩

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評価 3.9

最初の方の話が、ものを書く女性を最初に認めた男が会社にいて、恋愛関係となり、その妻が作家になり、そして・・・という話。
次の話は、最初の話と幕間があり、最初のサイドAの話の逆バージョンの話。

最初の話とかは、少女漫画の王道と言った感じがした。
・ちょっと他の女の子と違った女の子がいる。
・キレると男のような言葉遣いになる。
・でもその女の子をひそかに認めてくれる男がいる。

重要なのはこの認めてくれる男、が決して変な人ではなくて(サイドAでもサイドBでも)、
「どちらかというともてるタイプの素敵な男の人」
なのだ。
だからこの人が「ちょっと変わったタイプの女の人」にくらっとしていると言う構図が読んでいて、少女漫画の王道だなあと思った次第だ。
相変わらず!!!とかが多い。
更に、後半では別のタイプの話に(両方とも)なっている。

ひねた私のような読者は
(こんな女に都合のいい男がいるはずもないじゃないか!)とか
(しかも何だか格好良さそうだ、ありえない!)とか
(こんな汚い家(実家の婆ちゃんの家)に行って文句一つ言わない夫はいない!)とか
思ってしまったが・・・

あとそれよりも、サイドAにしてもサイドBにしても一応は三人称だ。
にもかかわらず、ダダモレの男性の心、女性の心というのが出てくる。
ここはこういうものなのか。
彼女とか彼とか書いているのに、突然の自分の心の告白・・・

ただ、作品の作品として、これが全くのフィクションとして投げ出されているのではなく、作中の中で、どこまでが作品でどこまでが本当のことで、またラストに自分の近況の後書きを入れると言う細かさという境界線が曖昧なところ(もし狙っているとすれば)がかえると思う。