偽憶偽憶
(2010/11)
平山 瑞穂

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評価 3.9

ラストが、非常に微妙、という作品だった。
ラストの方で偽憶について色々書かれている。
ここが書きたかったのだというのはわかるものの・・・

また途中で仕掛けがほぼわかって、その仕掛けどおりだった。
ミステリの読者なら最初の方から思うことだろう。
仕掛けがわかっても尚面白いミステリというのも存在するけれど・・・
また数人出てくるかつての同級生描写も細かく描かれているのでわかりはするものの、それが遺産相続にどう絡んでくるかというところが際立ってはいなかったと思う。
少年院に入ったことのある樹とかはもっと悪さをするかと思ったが・・・

・かつて親の意向で、夏のあるキャンプに参加させられた子供たちがいる。
(ひそやかな花園(角田光代)を思った)
・そのキャンプは一種の宗教団体のようなものであったが、親たちが仲良しグループを結成していてそこからいったものだった。
・何年も経ち、そのキャンプの主催者から連絡があり、「キャンプであることをしたことに感動したが誰だかわからない。ついてはそのキャンプのことを書いた作文を出してくれ。その作文と自分の指摘が合っていた者に31億遺産相続する」
というものだった。
・そしてキャンプ参加者の5人は動き始める・・・


一番まともな暮らしをしている会社員の利幸
子どもの頃のデブから抜けてモデルまでしたが今はまたフリーターの智沙
少年院を出てやくざすれすれの生活をしている樹
かつての優等生であり今も結婚間近な今日子
かつては輝くような少年であったのに今は落ちぶれている和彦

全員の状況はわかるけれど何だか心模様が浮かび上がらない。
偽憶というのもわかるのだが、そことじゃあ、恐ろしいまでの復讐の念という絡みもよくわからない。
出だしはかつての集まりの人に呼び出されるというとても面白い出だしだっただけに残念だ。