2011.02.26 話の終わり
話の終わり話の終わり
(2010/11/30)
リディア・デイヴィス

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評価 4

単純そうに見えて、入り組んだ小説だった。
解説にもあるように
まず「私」というのが色々で出てくるのだが
それが、
「年下の彼を愛した12歳年上の先生の話のまさに体験している「私」なのか、
それを分析している「私」なのか
それとも
「そのことを小説に書こうとしている「私」なのか
(この場合はこの「私」が作者なのかと言うのも入る)
と実に様々な「私」が出てきて、読んでいて、うっと立ち止まる。
これは何の誰の「私」なんだろうと。
読んでも読んでも私が出てきて、それが断章のように出てくる。

そのあたりの小説のたくらみのような部分が非常に面白い。
が、肝心の恋愛の話となると
・年下の学生と恋愛
・この学生がお金がなく借金を女にするのだが返さない
・友人の書庫を自分の書庫のように見せる
・女を束縛する割には自分は結構勝手なことをしている
といわゆる駄目な男なのだ。
だから読んでいて、(なんでこんな男に!)と腹立たしくなってくる。
そう思っていたら、今度は女の側が、結局は男に執着し、追い掛け回すようなことにもなっていく。
ここにユーモアを感じなかった私には、ただただこのあたり辛い女だなあ・・・と思ったのだった。