2011.02.28 六月の輝き
六月の輝き六月の輝き
(2011/01/26)
乾 ルカ

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評価 4

褒めないと、ひとでなし、のような気もする、いいお話だ。
でもいい話すぎて、今ひとつ私には食い足りない。
この食い足りなさを、優しく包み込むような物語、と捉えるか、
あともう一歩の物語、と捉えるかで随分評価が変わってくるだろう。
この作者らしく、「不思議な出来事」を軸にして二人の少女の成長を描いている。
生と死という図式に最後の方がなってしまったのが、とても惜しいと思った。
これをもってこなくても別の方法があっただろうに。
遠くに新興宗教っぽいのを感じてしまうのは私だけだろうか。


二人の少女がいて一人は手から発射する力で人の怪我などを治す。
これを使って、少女の父が金儲けをし始める。
唯一の友達の父が危篤のときに、少女は助けてあげなかった。
これがきっかけで二人の間に微妙な亀裂が走る・・・


二人の少女の家庭環境というのが描かれているようで、ちょっと理解しがたいところもあるのだ。
なぜ奇跡の少女の母親はあれほどまでに少女を疎んでいるのか。ただただここに書いてあるようなことだけなのか。


以下ネタバレ

・少女のしている治すということが本当に治しているだけではなく
「ある一定の時間を逆行させている」というところが一番この話の中で面白かった。
なぜ、時間がたつとみんなの治ったものがまた元通りになってしまうのかと思っていたから。
犬を亡くした優等生が何度も生き返らせ最後に舐めてもらう話も印象的だった。
これとはまた別に、父親がやくざに殺されそれを生き返らせる話も真っ黒ながら面白かった。