ライ麦畑で熱血ポンちゃんライ麦畑で熱血ポンちゃん
(2011/03)
山田 詠美

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評価 4.9

とてもとても楽しめたエッセイだった。
軽く風のごとく書き飛ばしているように見えるけれど、実は深いところを書いているエッセイだとも思う。
書く口調のようなものが親しみやすい口調で書いてあるので、それを思わず読んでしまう。
そして、いつしかこのエッセイに絡めとられてしまうのだ。

生まれついて作家だと思われる山田詠美の小説群もいいけれど、こうした赤裸々に近いエッセイも読み応えがある。
家族のこと(お父さんがいい!相変わらず!)、かつての恋話、本の話(楽しい、これが特に)、そして作家仲間の話(川上弘美が学級にいたら会計係というのに笑った笑った、実にあっているので)、と話は色々なところに飛ぶのだが、元気をもらえるエッセイでもある。
ハモニカをふきまくろうとうするこの馬鹿馬鹿しさに満ちた姿勢。
人生を楽しもうという姿勢(楽しもうとさえ意識していないのかもしれないけれど)
時折、はっとするくらいに目が覚めるような言葉を残す姿勢。
それら全てが心地良くこちらに向かってくる。