幻視者のリアル (幻想ミステリの世界観) (キイ・ライブラリー)幻視者のリアル (幻想ミステリの世界観) (キイ・ライブラリー)
(2011/03/24)
千街 晶之

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評価 4.9

自分が好きな分野だと思っていたがこうしてみると、読んでない本が多いなあと思った。

この中で、皆川博子論の狂気と孤独と愛がとても面白かったのは、皆川博子の本は読んでいる本が多いので、自分の感想と照らし合わせて読めるからだ。
ああ・・そうだそうだ、とか、ああ・・これは私と感じ方が違うとか・・・
そういうのが評論を読む楽しみだ、私にとっては。
皆川博子論のここに取り上げられている本にしても、もう絶版になっている本が多く、何ともかんとも残念でたまらない。

幻想ミステリという分野の本をたくさん出してくれていてそれはそれは読んでいて刺激になる一冊でもある。
でも、未読の人が読めない箇所というのも数箇所あるのが、我ながらとてももどかしい。
自分のせい(読んでないという)ではあるものの、ここが読めない、という部分はあとでつぶしたいとつくづく思ったのだった。
(本の評論とか感想と言うのは、未読本について語ってもらって尚且つ楽しくてたまらないもの、と自分が既読でないとそうでもないもの、と分かれると思う。
読んでないのに楽しくてたまらない評論というのはきわめて稀であるのだが・・・・
ネタに触れずに本を語り、尚且つその本の魅力を伝える、というのは至難の技なので、これが出来ている人は本当に少ない(たまに実際にその本を読んでみると、評論とか解説の方が面白かったりする逆転現象すらあるが、これはこれで楽しめる)


三部のそれぞれの本についての解説、という部分は、読んでいる本が多かったのでここは楽しめたが、同時に、既読のものも多いということだった。
この中でそそられたのがヘレン・マクロイの歌うダイアモンドだった。

贅沢を言わせてもらえば、索引が是非欲しい。
索引と絶版情報(今の時点での)があればと強く思ったりもしたのだ。