「絵のある」岩波文庫への招待「絵のある」岩波文庫への招待
(2011/02/09)
坂崎 重盛

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評価 5

なんて楽しい本なんだろう!
優れた挿絵が岩波文庫にありますよ。
それは一冊一冊手に取らないと分かりませんよ。
だから、僕が手にとってみて、頑張って僕が読んで、そして絵も楽しんじゃいましょう!
この本にはこんな貴重な絵があるんですよ、皆さん、にこにこ。
この本にはこんな素敵な絵があるんですよ、皆さん、にこにこ。
そんな風に教えてくれる本だ。

挿絵と言うのが、確かに岩波の数冊で際立っていいと思ってはいた。
だけどこういう視点で切り取る、というのが実に画期的だ。
しかも、どの小説にどの挿絵がある、と紹介だけではなくて、そこから作者の頭が赴くままに色々な本に派生していくところが読んでいてスリリングであり、本好きにはたまらない!と思わせるところなのだ。
決して学術的な本、でもなく、堅苦しく岩波文庫というのを紹介するんだぞ!というスタンスでもなく、軽く自分の体験談(これがまた飄々としていて楽しい)を交え、気楽に語ってくれる。そこらが誠に好ましい。
ふっとその時の天候を語りつつ、私も絵に惹かれてこの本を初めて読みますが、あなたもいかがですか?というように気楽に話しかけてくれる気がした。

私が猛烈に欲しくなったのは
・鈴木三重吉童話集(深沢省三の絵が好み)
・新見南吉童話集(棟方志功(!)と谷中安規挿絵)
・ルナアルのにんじん(この挿絵、簡単な線だけど可愛い)
・寺田寅彦の柿の種(本人!の絵)
・ダフニスとクロエー(なんだかよくわからないボナールの絵をじいっと見たい)
・地底旅行(ああ・・これで読めばよかったと悔しかった・・・。挿絵が抜群)
・八十日間世界一周(これも挿絵が最高に心惹かれる)
・ほらふき男爵の冒険(ドレーじゃないですか!!)
・レ・ミゼラブル(あの有名な劇団の絵がここから来ていると言うのを初めて認識した・・・素敵)
・ビゴー日本素描集(改めてみると面白いビゴーの視点)
・床屋コックスの日記(平井呈一の訳と言うのに今気づいた・・・)
・脂肪の塊・メゾンテリエ(両方別の出版社で読んでいるのが無念・・・と思うほど挿絵が魅力的)
・ホフマン短篇集・影をなくした男・ウィーン世紀末文学線・カフカ寓話集
(影~のみ既読だけれど、カフカの本に至っては、カフカ自身(!)という贅沢さ)
・幼少時代(谷崎のエロスの原点がこの母の着替えというところが・・・よくこの絵を見たい、本文とともに)
・絵のない絵本(これもまた別の出版社で・・・悔しい・・・)
・アンデルセン童話集(見てみたい)