2011.05.08 Zの悲劇
Zの悲劇 (角川文庫)Zの悲劇 (角川文庫)
(2011/03/25)
エラリー・クイーン

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評価 5

これまた新訳が出たので何十年かぶりに再読してみた。

悲劇四部作の中でこの作品、印象が薄い作品だった、私の中で。
なぜなら、レーンがなかなか活躍しないし、語り手がかつてのサムの娘ペイシェンスなのである。
この娘もなかなか鋭い勘を働かせるのだが、私としてはドルリー・レーンが年老いている、というのがたまらなく辛い。耳が聞こえないのは前からだったが、なんせ前の事件から10年経っている。闊達なクイーンが守りに入っている気配がある、というのがなんとも悲しいのだった。

ただ、今回思ったのは死刑判決の元受刑者があと少しで死刑と言う前に、レーンが真犯人の推理を展開するところが素晴らしかった。
消去法で、・・・だから誰々は違う、と次々に人を消していくのだが(容疑者を消していく)これが論理的で納得できる。
無実を訴える男を救い出せるか否か。
そのぎりぎりのところで探偵の技が冴えまくるのだった。