水の中、光の底水の中、光の底
(2011/03/24)
平田 真夫

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評価 4.4

読みやすいか読みにくいか、と聞かれたら読みにくい。
SFというよりファンタジックな雰囲気が大層強い作品だ。
どちらかというと、小説を読む行為というより、詩を読んでいくような気持ちにさせられたのはなぜだろう、ここにあるのは紛れもなく小説なのに。
そして同時にとても哲学的であるとも感じたのだ。

狂言回しは一つの酒場の主人だ。
折り重なるようにイメージがどんどん堆積していく。
ビルのカフェの外側が水になっているイメージ、逆に建物の中の水の中に深く深く潜って行くイメージ、夜空の小爆発のイメージ、こういうものがこちらになだれ込んでくる。

この水のイメージにひたひたと自分を浸せる人は没頭できるだろう。
それぞれの話の中で必ず一つはこれは!と思うエピソードもまたある。
とてもイメージが面白いだけに、やや独善的という箇所を私は感じたのだが・・・