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(2011/06/16)
津原 泰水

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評価 5

幻想に彩られた短篇集だ。
どの話も一気に引き込まれ、読ませる読ませる・・・
津原泰水と言う作家の幻想の面を際立って見せる小説だと思う。

やはり前に読んでいた異形のものたちの集団の話、五色の舟の異様さが一番読ませて面白かった。
異形の者達が寄り添って生きている不安定さの揺らぎがたまらない。

あと作品のできばえとしては、一見土着の話っぽい戦時下の異常なすり替えの話の「土の枕」なのだろうが、
私自身の好みとしては、人間部屋の衝撃の話から最後のだだんとした衝撃の展開の「クラーケン」だった。
犬!
糖蜜!!!
最後で失神しそうに驚いた。
そして最後の一文がとてつもなく格好いい。

「追ってくる少年」は最後まで読んでわけわからずまた読み返して、まだわけわからないのだが、この追ってくる少年のアツシ君の話から、自分の父と叔母の死亡事件までがこれまた読ませる。

「手」のさりげない描写の怖いこと怖いこと・・・
これはもっと長い作品にして欲しい。
ラストいつまでも読んでいたかった・・

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五色の舟/延長コード/追ってくる少年/微笑面・改/琥珀みがき/キリノ/手/クラーケン/YYとその身幹/テルミン嬢/土の枕