2011.09.15 嘘と少年
嘘と少年 (ポプラ文庫)嘘と少年 (ポプラ文庫)
(2011/08/05)
永瀬 隼介

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評価 4.0

悪い話、なんだか、心温まる話、なんだか自分の中で決着がつかなかった。
読後感は良くもないし、そこは欠陥ではないと思うものの、決して後味はよくない。
そして正直に言えば気持ち悪い。
でもそれでは悪いのか、というと、非常に際立って良い少年達の飛び回っている森の姿というのもまた目に焼きついている。

最初から過去を回想する死にかけた男とその病床にいる友達、という設定なのでこれがところどころに入ってくる

少年時代を読んでいるとその時の和也の生き生きとした様子が忘れられない。
病床にいるのが和也なのでこの対比が切ない。


少年達がかつて森で探した少女、というのはどうなっていたのか。
そして三人の少年達はどのように森を冒険したのか。
それぞれの家庭が抱える問題というのを少年少女たちがけなげに生きている、というのもまた読ませる。

チュウ、良樹、和也の三人で、
行方不明になった美少女、優を探しに行く。
チュウが知っているというので良樹、和也がついていく森。

最後の最後で明かされる苦い真相というのは、かなり初期に見える。
ここはそれほど驚きが無く、真相がわかったときに(やっぱりね・・)と思ったのと同時に、あまり気持ちがよくなかったのだった。
ただ、最後の少女が見つかったある一つのもの、の真相は、ちょっと驚愕したのだった。

以下ネタバレ

・少年時代のチュウは幽霊。
一家心中していた(これはかなり初期に見えること)


・少女優は殺されていた。
それも「良樹」の兄(受験に失敗し、家庭を滅茶苦茶にした引きこもり)によって。
なぜなら、少女が殺された山小屋の近くで、少年時代の「良樹」が拾った金属(これが兄のジッポライターという示唆)

・優が見つかった場面が実に気持ち悪いと言っていいだろうか・・・

・良樹の今が語られていなかったが
最後の最後で、
彼が兄の殺人をした人間というのがわかる。
(良樹は兄が殺人をした、というのをライターを拾った時点でわかっている。
そして優は初恋の女の子である)