2012.01.14 秘書綺譚
秘書綺譚: ブラックウッド幻想怪奇傑作集 (光文社古典新訳文庫 Aフ 9-1)秘書綺譚: ブラックウッド幻想怪奇傑作集 (光文社古典新訳文庫 Aフ 9-1)
(2012/01/12)
ブラックウッド

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評価 4.8

この怪談を読んで、自分の恐怖のツボ、のようなものを再認識した。
何かの気配、というものが、私にはたまらなく怖いのだ。
それは見えないほど怖い。
つまりは、この話の中で言えば、ある屋敷に叔母と一緒に探索しに行って、幽霊の気配の充満している空家(でも絶対に何かがいる)、下宿屋で魔方陣のような円も怖いが(ここは安全地帯らしい)そこから一旦離れると起こる怪異譚のスミス、だ。
また典型的な幽霊譚でその時実はその人は死んでましたの、約束、なども怖い。
表題作は、札付きの変な人のところに行った秘書の話だが、その変な人が肉を貪り食う場面が秀逸でここが印象的だ。

吸血鬼と千里眼の話(ただ、この場合の吸血鬼はなんだか気をとるのような吸血鬼)の転移も、呪われたような場所、というシチュエーションがとても上手かったと思う。

小鬼のコレクションはちょっと可愛らしい。
物がなくなっているとそれはゴブリンが隠した、という趣向は、日本の民話を見ているようだった。

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空家/壁に耳あり/スミス−下宿屋の出来事/約束/秘書綺譚/窃盗の意図をもって/炎の舌/小鬼のコレクション/野火/スミスの滅亡/転移