2012.03.26 サクラ咲く
サクラ咲く (BOOK WITH YOU)サクラ咲く (BOOK WITH YOU)
(2012/03/17)
辻村 深月

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評価 4.8

表紙がこうなので、とても躊躇われたのだが・・・・
好感を持って読めた。
特に、表題作は図書館を舞台にしたありがちな展開ではあるけれど、しみじみと感情移入しながら読んだのだった。

辻村深月作品は、中学生や高校生の時のやりきれなかった気持ちというのを巧く掬い取ってくれる。
掬い取りが、(こんなこともあったなあ・・・)(これがこうだったらなあ・・)と個人個人の想い出を想起させてくれる。
異性に対する切ない思い、勉学に対する常に向かい合っているプレッシャー、将来に対する漠たる不安、友情関係・・・・

サクラ咲くでは、ちょっと自分の意見が言えない内気な女子が出てくる。
現実にこんなに上手くいくはずがない、と思いつつ、それでも彼女が自分の殻を打ち破って新しい世界に飛び出していくところが読ませた。
そして図書室での謎のやり取りの相手は誰だったのか。
図書室の本に手紙を挟むと言う魅力的な手紙の交換の謎の面白さも話を引っ張っていってくれていた。