2012.04.23 風少女
風少女 (創元推理文庫)風少女 (創元推理文庫)
(2007/03)
樋口 有介

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評価 5

タイトルどおり、全編に風を感じていた。
爽やかな青春のミステリだった。

自分の父の危篤のために帰郷した亮という青年(大学生)が、中学時代に好きだった女の子が死んだ、ということを知る。
そしてその女の子の妹千里と偶然会うのだ。
事故死を不振視する二人が捜査を開始する。

これもパターンが似ている。
・かつての女性の死(それも深い付き合いではない)
・その死の謎をめぐって奔走する
・そこに仲間になってくれる女性がいる(この話の場合は被害者の妹)

この話、一見暗い感じが漂う。
なぜなら、
高校生そのもの、の話ではなく、高校生のその後、の話だからだ。
そしてその後、は決して甘いものではなく、みんな世間の風に晒されている。
加えて、この場所が前橋という所から、地方都市の鬱屈も鮮やかに描かれているのが物悲しさを増長させている。
けれども、一服の清涼感があるのは、千里の可愛さと、そして亮の大人っぽさの魅力だろう。
この二人が物語を引っ張って行ってくれるのだ。