2012.04.30 幻想即興曲
幻想即興曲 - 響季姉妹探偵 ショパン篇幻想即興曲 - 響季姉妹探偵 ショパン篇
(2012/02/24)
西澤 保彦

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評価 4.5

新シリーズなのだろうか。
妖しい(二人の関係も怪しい)響季姉妹探偵が出てくる本格ミステリだ。
姉の響季智香子が美人編集者、妹の永依子は萌え系美少女音楽家である(だからここにショパン談義が加わる)
姉の持ち帰った推理小説原稿の謎を、姉妹が解き明かすという趣向になっている。
(この二人の姉妹が姉妹でしかもレズっぽいというのがいかにも西澤作品らしい)

書かれた小説の原稿から、ある女性が殺人事件に遭遇するというところから、過去のピアノを弾いていた女性を目撃していたのになぜ殺人をしたことになってしまったのか、彼女は誰かをかばっていたのか、またその時に殺された男性の一言はなんだったのか、と過去に話がつながっていく。

幼少時代、学生時代、このあたりの周りの人間を含めての描写は面白く読んだ。
また「あるものを」見ていても、それが本当は何だったのか、というのが開陳された時の驚きと言うのは確かにある。
殺人で捕まった美人妻の家庭の過去、というのもまたありがちで(年の離れた夫に美人妻で、美人妻が浮気をしていて、夫には別れた妻と娘がいた)

作家古結麻里の小学5年生の 時に起こった殺人事件がずうっと繋がっていく。
夫の刺殺容疑で逮捕された妻というのが、麻里の友達の男子の憧れの人だった。
麻里はこの殺人をしたとされた時刻に確かに妻を見ているのだ、しかもピアノを弾いている妻を窓越しに。

一種の記憶、と言うことに対しての改竄すら思うような忘れられない出来事なのだが・・・
最後の方のもう一つの殺人がなんだか私には唐突に見えた。
あまりに偶然過ぎないか。
あとここでこの殺人が行われるのか。

・・・・
真実は非常にむごかった。
あっと驚く真相ではあったけれど、救いのなさがじわじわと心に迫ってきた。
それと、姉妹のレズ場面っぽいところとミスマッチ感覚なのかなあ・・・と思ったりもしたのだった。

以下ネタバレ
・ピアノを何よりも愛していた美人妻美奈子。
しかし夫がおそらく故意ではなく、子供のいたずらにより(爆竹を投げ入れると言う悪質なもの)驚いて車のトランクを閉めてしまって、それで妻の手をはさんでしまう。
妻はそれ以降ピアノ教室は閉鎖した。
また浮気はしていなかった、元々。

・夫はその子供井元一真を殺そうと包丁を持ってやって来た。
しかしそれを阻止したのが、一真の祖父善治郎。
善治郎が夫を逆に刺し殺す。

・美奈子とレズビアンのような関係になっていたのが冬羽。
放火事件の衝撃で(自分のアパートを放火された)書けなくなっていた書き手
古結麻里の口述筆記をした。
しかしある誘導はしていた、伏線を入れることによって。