2012.06.08 殺す鳥
殺す鳥 (創元推理文庫)殺す鳥 (創元推理文庫)
(2012/04/27)
ジョアンナ・ハインズ

商品詳細を見る


評価 4.5

有名な女流詩人のキルスティンがバスタブで殺される。
それは自殺として片付けられるのだが、娘のサムのみがそれに疑問を持っていく・・・・・

キーの言葉として、殺す鳥、があるのは、キルスティンの詩集の表題作になるその作品が見つからない。
もう一つ見つからないものとしては、キルスティンの日記が見つからない。
また娘のサムと会う約束までしていたのに・・・・


イギリスのコーンウォール地方の壮麗な邸宅が舞台なのでその部分が楽しめる。
また人が多く出てきて、その部分は割合ごちゃごちゃはしている、わかりにくいと言うわけではないけれど。
たとえばサムの出自にいたっては
・本当の母のキルスティン
・途中までサムが一緒に住んでいた義理の父(キルスティンの二度目の夫)の弁護士ラフ、
・そして感じの悪いその父の愛人ローラ

・母のキルスティンの最初の夫(つまりサムの実父)デイビー
・デイビーの妻リンダ
と、サムの両親が複雑な結婚生活を送ったため家族が複数混在する。

更に、ラフ一族(サムの義理の父の一族)は
・ラフの母ダイアナ(いつも突拍子もない行動をする
・ラフの姉ミリアム(頭痛もちで神経質
・姉ミリアムの夫ジョニー(とりあえず善人として描かれている
とここもまた複雑な様相を呈している。

推理小説というよりそれぞれの心理描写が多い作品だと言えよう。
もうちょっと言えば、ある家族の秘密の物語、といったところだろうか。
面白かったのは、過去の出来事と現在の出来事が徐々にリンクしていくのが暴かれていくところだった。
またミックの存在が段々大きくなっていくところも(サムにとっても)読ませるのだった。

ただ、ラストが比較的思ったとおり、と思ったのは私だけだろうか。
一番大元で、私が思ったのは、サムが娘と言えどもなぜこれだけ執拗に自分の母が自殺ではない、と思い込めるのかということだった。
直感なのだろうか?
高所恐怖症を押してまで、ラフの家に忍び込み母の日記を探そうとしたその心持が今ひとつ私には理解できなかった。