なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
(2004/03)
アガサ クリスティー

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評価 4.6

マープルさんもポアロさんも出てこないボビイとフランキーと言う若い男女が繰り広げる冒険物語だ。
改めて読むと、これが推理小説というよりユーモア冒険譚の側面がとても強いのに気づく。

偶然ボビイという青年がゴルフ場の崖下で、一人の男性の臨終に立ち会う。
そのポケットに入っていた一人のはかなげな女性の写真を見る。
最後に「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」という一言を残して男性は死んでいく。
しかしそこに一人の男性がきてくれたので彼に託してそこをあとにするのだった・・・・


なんだか最初のこの部分から、
(なんでこの男を信用して、死体を引継ぎしちゃったんだ、ボビイ!)
という気持ちになるけれど(それもたいした用事があったわけでもないのに)、二人の探偵ボビイとフランキーだったら、断然フランキーのほうが威勢がいい。
伯爵令嬢特権というのをあらゆる場所で有効に活用して事件に立ち向かっていく姿が小気味いい。
ボビイは常に及び腰で、頼りないことこの上ない。
たまに読んでいてボビイにいらっとするのだが、段々このぼんやり感も必要なのかなと言う気持ちにもなっていく。

謎の言葉。
その真相というのも開き具合が納得がいくものであった。
また最初の写真というのが実に重要なことになっていくさまも読んでいくと面白かったのだった。

・・・
なのだが、テレビドラマ・・・
なぜこれにマープルが居るのだろう?
なぜ写真のことが何もないのだろう。
それより何より、なぜエヴァンズがあのような形で出てくるのだろう?
と、これはドラマ完敗だと思う。