文化祭の夢に、おちる (講談社BOX)文化祭の夢に、おちる (講談社BOX)
(2012/07/03)
彩坂 美月

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評価 4.7

正直惜しいなあ・・・と思った。
彩坂美月がいつ化けるかとずうっと見守っているのだが・・・・あともう一歩という感じがぬぐえない。

すごくすごく面白いのだ、話の前半は。
ちょっと辻村深月某作品と似てはいるけれども、それでもこの生き生きとした学生達の文化祭から一転して、なんだかわからない世界に入り込んでしまった、本人たちしかいない世界、というSF仕立ての話が読ませる。
最初のところで、ちょっとしたシーンがある。
それが後半で生かされているところも巧みだなあと思った。

ただ、この時がストップして、世界にいるのがこの人たちだけという中で、一人の狂った男子学生を出す必要性ってあったのだろうか。
これが後半、すごくネックとなってきた。
襲ってくる男子学生、というところで話が薄っぺらくなっていく気がした。
逃げる、襲う、逃げる、戸惑う。
単純なバトルの連続であり、単なるサバイバル戦だ。
しかも先生への逆恨み?そしてラストの先生のかまってあげた理由の告白?
このあたりで話がだれてきたような気がしたのだ。

これだったら、集まっている実に全うな学生の中で、恐怖のあまり心理状態がおかしくなってくる、という方がずうっと信憑性にあふれてるのではないか。
話そのものとても面白いので(特に前半)、次回是非化けるのを期待したい。

・・・・・
全く話には関係ないが、箱入りの本が減ったので大変うれしく思って購入した。
装丁とかが凝っていて面白い。