文学賞メッタ斬り! ファイナル文学賞メッタ斬り! ファイナル
(2012/08/01)
大森望、豊崎由美 他

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評価 4.9

ファイナルか・・・とちょっと淋しく思った。
歯に衣着せぬメッタ斬りなので楽しみにしていたのだが・・・

この中で、悼む人の話が一番笑った。
笑っては失礼だろうと思いつつ、やっぱりあの悼むスタイルというのはある面から見ると笑えるものなのだなあ・・とつくづく思ったのだった。

個々の作品については、それは意見が違うものもある。
これはいいじゃない貶されているけれど・・とかこれはそこまで褒める本?とかもある。
この二人も微妙にずれてもいる。
でもそのずれを許せるくらいに、全体によく読みこんでいる、というのがこの本を読ませる原動力になっているような気がした。
道尾秀介が何度も何度も直木賞にノミネートされているのを、こうして連続で見ているとそうだったのだなあと感慨深かった(しかも最終的に取っている)
また恩田陸の運のなさといったらどうだろう。なんで取れないんだろうか。何でこの作品なのか。
というところも強く強く感じたのだった。

一番面白かったのは円城塔への言及だったが、この選考委員の発言もまた興味深いなあと思いつつ読んでいた。
道化師の蝶は確かに面白く読んだのだが、もう一度読んでみたいという気持ちにもさせられた。
また宮部みゆきの温かい目の選評にもほろっとした、たとえ論理が薄いにせよ、読んでいる目に曇りがないし、何より作品に対しての愛情を持っている人なのだなあと改めて感じたのだった。」