2012.09.26 月に歪む夜
月に歪む夜 (創元推理文庫)月に歪む夜 (創元推理文庫)
(2012/09/11)
ダイアン・ジェーンズ

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評価 4.9


帯にバーバラ・ヴァインの初期作品を髣髴させると書いてあったので読んでみた。
とても謎も面白く、読ませる物語だった。

最初のところで、老人の水泳場面が出てくる。
老婦人たちが、健康のために通っている公営らしいプールでの一こまで、ケイトという初老の女性が友人の女性の愚痴やらなにやらにつき合わされている場面がある。
ここが何気なく読んでいたのだが、後半になって全てが明らかになったときに、非常に心がドキッとする発言もある事に気づいたのだった。

最初の方で、過去、何かおぞましいことがあったのだな、そしてそれは殺人に関することなのだな、ということがわかる、しかも恋人だったらしき男性の母親から手紙が来て、この人の手紙により恋人だった男性の尋常ではない死に方というのもわかってそこでまず謎が頭に充満する。

過去の青春の4人というのがどういう風に形成されていったか、
最初の方で男二人、女一人の組み合わせで浜辺にいたのに、そこに一人の女性トゥルーディーが加わることにより最初断れなかったことにより思わぬ運命が待ち受けている、というところが読ませた。
トゥルーディーのややエキセントリックな行動とダニーの恋人のケイトとのせめぎあいも読ませる。
途中までトゥルーディーとダニーが何かあって、ケイトとの三角関係?とも思ったのだった(が、違う)
またもう一人の男性、ダニーの友人サイモンも異彩を放っている。

そして現在のケイトはダニーの母のところに(死に掛けている)いくのだがここにも何か秘密がある。
そしてその秘密とは私の思った秘密とは全く違ったもので驚愕したのだった。
さらに、一番最後のほうで驚きの告白がある。
ここも深く深く思ったことがあったのだった。

もし、はないのだが、もしトゥルーディーが現れなかったら、ケイトはどういう人生だったのだろう。
というのをラストになって思ったのだった。

以下ネタバレ
・ダニーがトゥルーディーを殺す。
それにサイモンは気づく。
なぜなら、ダニーの大学で一人の女子学生が殺された事件があってそれもダニーがした、というのにサイモンは気づいていたから。
ということに、ケイトは気づいて慄然とするのあった。
そしてダニーを睡眠薬で寝かして殺すのだった(しかし殺人には見えなかったので事故死ということで終わる)

・ダニーのお母さんに真相を話さないのは、
自分の罪を話さない(ダニーを殺した)ということもあるのああが、
話すことにより、お母さんが愛していたダニーが実はおぞましい連続殺人者であったということを話さなくてはならない、からだ。

・更に、なのだが、
ダニーのお母さんの話により、ダニーには弟がいてその子がお母さんがいない間に死んだ、というエピソードが語られる。
これも、ダニーが殺したのではないか、と読み取れる。
ダニー自身がこれを覚えていたかどうかは別にして。

・前半の水泳のおしゃべりのところで、
ケイトが独身で子供もいないという話が出てきて
またどこかにいってどこかの家を見ていたという目撃談が出てくる。
これがどこだか最後までわからなかったのだが、

ケイトは自分とダニーの間に子供が出来ていて生んだのだが、養子として手放した。
この子の成長を偶然ケイトは教師としてみている。
目撃談の家はこの子の家。
ケイトは自分を訪ねてくる恐れのある子供を恐れている(自分のこともともかくお父さんが殺人者であったので、両親が殺人者の子供)