謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル) (ミステリ・ワールド)謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル) (ミステリ・ワールド)
(2012/08/24)
山口 雅也

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評価 5

とても私の好みの話だった。
解答がないりドルストーリーが並んでいる。
ミステリの要素よりも、奇妙な味の話、の感じが強かった。
一番有名なりドルストーリー「女か虎か」の異版は、まさかあのサロメと結びつけるかというところが読ませた。

また次の「群れ」は、一種SF的な話だ。かつての星新一を思わせるようなラストシーンだった。
最初の方で鳥の群れの話が出てきて、そこからどうつながるのかと思えば、このようなつながり方というのが見事だと思う。

「見知らぬカード」は、これまた星新一の何かの話を思い出す。
思い出すがそれと同じというのではなく、このなんだかわからないカードというのがとてつもなく不安を呼び起こすと言うところが面白い。
なんだったんだろう、それぞれの人の反応が違うカードと言うのは、と何度か考えたくなる。

「謎の連続殺人鬼リドル」は、なぞなぞをしてそれが出来なければ殺すというシチュエーションの中、ばかばかしいと思うなぞなぞを(たまにアンフェアななぞなぞを)出してくる怪人リドルに魅せられた。
しかし残念ながら、ルイスキャロルとワニがわからないので、これからネットで調べたい(調べてわかるのだろうか?)
これもラストが、このなぞなぞの答えとともに、この銃声は果たして?と言う二つの謎にくるまれている。

「私か分身か」は、これも一種SF的な物語で、かたや面白くない生活を送っているサラリーマン、かたやホームレスになった男という分裂した二人の男の物語だ。
二人がそれぞれにいて、それぞれを認識するまでが克明に描かれているし(特にサラリーマンの方の会社での嫌われっぷりがよくわかる)会った後、一体、と言う部分がとても面白い。

以下ネタバレ
リドルのワニの謎。
ウィキペディアより転載。
「人食いワニが子供を人質にとり、その母親に「自分がこれから何をするか言い当てたら、子供を食わないが、不正解なら食う」と言った。これに対し、母親が「あなたはその子を食うでしょう」といった場合、
1.ワニが子供を食う場合、母親はワニがしようとすることを言い当てたので食べてはならない。
2.ワニが子供を食わない場合、母親の予想が外れたのでワニは子供を食べても良いことになる。しかしそこで食べると、結果的に母親の予想は正しかった事になるため、矛盾にぶつかる。

このように、ワニが何をしようとも自己矛盾してしまい、子供を食べる事も、食べない事もできなくなってしまう。

以上の話は不思議の国のアリスの作者として知られる数学者ルイス・キャロルが創作し、クロコディルズ(ラテン語: Crocodilus)というタイトルで発表した」

・・・
ということは、
●リドルが「子供を撃つ」と母がいえば、リドルは子供は撃てない状況だ。
しかしラストに、銃声が二発聞こえた、というのだから、
・リドルが母を撃って子供は撃たない。
しかし二発なのだから、自分を自殺で撃つ。これが一つ。

・リドルは子供を撃てない。
すかさず母が銃を拾って、リドルを撃ち殺す。
しかし二発聞こえたわけだから、二発この場合リドルに撃ち込むことになるのだが・・・これが一つ。

●また、リドルが「人質を撃つ」と母が言った場合、リドルは二人を撃てない状況だ。
銃声二発は
・空砲が一つ(空に向かって撃つとか)
その直後自分自身を射殺・・・・これが一つ。

・リドルが人質二人を撃てない。
すかさず母が銃を拾って、リドルを撃ち殺す。
二発撃ち込む・・・・これが一つ(つまり前の後半と一緒になる)