2012.11.03 継母礼賛
継母礼讃 (中公文庫)継母礼讃 (中公文庫)
(2012/10/23)
マリオ・バルガス=リョサ

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評価 5

抜群に面白かった。
最初のところに絵画があって、しかも全章に対してではないので、何かなあ・・・と思っていたら、
現代の話、と
絵画からの話、との
組み合わせになっている本だったのだ。
なんてエロティックな話でなんて禁断の話なのだろう。

絵画から喚起される話が、もつれた糸のように幻想的に繋がっていく。
現代の話なのにあまりに現実離れしていているので、旦那が保険会社に勤めているという描写でぎくっとしたりもした、さっぱり忘れていたので現代の話というのを。

妻を女神のように崇拝し愛する、裕福な夫のリゴベルトがいる。
彼の崇拝振りはすさまじく、体を彼女を愛するために整えるくらいだ(ここが暗く笑えるところだ)
ところがリゴベルトには連れ子の美少年の息子がいる。
この息子が妻に懸想するのだ・・・
そしてそれに気づいた妻は・・・・


息を詰める様に、水面下で物事は静かに進んでいく。
このあたりの息遣いがとても面白い。
間に挟みこまれている、有名な神話とか絵にまつわる話がそれを否が応でも盛り上げていくのだ。