2013.03.31 跡形なく沈む
跡形なく沈む (創元推理文庫)跡形なく沈む (創元推理文庫)
(2013/02/27)
D・M・ディヴァイン

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評価 4.8

ディヴァイン作品って、読んでいる間中わくわくするくらいに面白いのだが・・・・・
これも私が思っていたディヴァイン作品だった。
面白いのだが、が。

最初の方でルースと言う女性が出てくる。
彼女は父を知らずして育ち、母の秘密のボックスを弁護士が来る前に開けて、母の生前の秘密を知る。
そしてスコットランドのシルブリッジという小都市に渡ってあることをしようとする・・・・
ここまでだと復讐譚になりそうではないか。

じゃあルースが主人公かと言うとそうではないのだ。
ルースはあちこちで色々な火種をまいていく、自分では意識しないうちに。
この小さな町の議員選挙の過去の不正を知ろうとするルース、
人々の不安を闇雲に煽ろうとするうルース、
そして、この不安感の中、ある人間が殺される・・・・

・・・・
冒頭の方でケンという人間が出てくるが、彼の姿が最初のうち好感が持てない。
なぜこの評判の悪い子持ちの女性と一緒にいるのかと歯がゆく思ったりする。

この話の面白さは、視点が色々変わるので、それによってそれぞれの人間関係が変化するように見えることと(新たな面が見えてくる)、容疑がこれかこれかと考えている時にその強弱のようなものが変化していくことなのだろうと思った。
どちらかと言えば
・ケン部分は、男女関係
・ジュディ(ケンの同僚)部分は、議会のスキャンダルが中心になっている。
複層でサスペンスが盛り上がっていく所が読ませる部分なのだと思った。