続・時をかける少女 (Fukkan.com)続・時をかける少女 (Fukkan.com)
(2011/04/23)
石山透

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評価 4.7

続、なのだが、筒井康隆でないのは、NHKドラマで脚本を書いた人の作品、だからだ。
復刊ドットコムで出してくださって大変ありがたい。

扉に筒井康隆のまえがきがあり、受け入れられていたというのもわかる。
また一番最後のところに当時の写真が小さくではあるが入っていて、ケン・ソゴルと芳山和子の写真が入っているのもまた好ましい。

全体に、「その後」の芳山和子、つまり高校生の彼女の物語で、ここにまた未来からケン・ソゴルが現れる。
冷静なケン・ソゴルだから「久しぶり芳山君」というのがないなあとここがとてもさみしかった。
話の中で、タイムトラベルできる芳山さんが、色々な時代に飛んでタイムトラベルで行方不明になった三人を探す、と言う設定になっているが、どこが面白いかと言うと、宇宙空間のようなところに漂っている、というところが楽しかった。
扉が遠くに見える。
けれどそこまでもどかしくてなかなか行けない。
俯瞰して暗い宇宙の底のようなものまで見える。
また高校生になっているので、ほのかに結婚、なんてことも考えている。
このあたりの初々しい感じにもぐっときた。

芳山和子が自分で認識しているようなしていないような淡いケン・ソゴルへの感情で、必死にタイムトラベルする姿にぐっときたのだった。
そしてラストが切ない。

これが出たのが1972年。
だから21世紀というのが果てしなく遠く思えた時代と思うのだが、現実に21世紀なんだなあとそのあたりもしみじみしたのだった。更に更にこの先、芳山さんはどうなっただろうか。