嵐のピクニック嵐のピクニック
(2012/06/29)
本谷 有希子

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評価 5

でんぐり返しするほど面白い!
傑作。
そしてどの短篇も甲乙つけがたく面白いのだ。

最初の話アウトサイドなんか、『ピアノをサボった女の子』の話だと思っていたら、この展開!
グランドピアノの存在の意味がわかった時に、ぞくっとするほど面白かった。

どちらかと言うと奇想だろう。
奇想の話が、日常からぽんと違和感なく提示されている。

人間袋とじは、読んでいて痛くなる。
痛くなるのだが、ありえるーーーと思っている自分もいてまた怖い。

猿の話(マゴッチギャオの夜、いつも通り)なんかも、知能を持っている猿がいて、他の猿を見下している。
ところが、この知能猿よりも・・・
この展開、絶対に普通の人は考えられない。

考えられないといえば、亡霊病だって考えられない。
新人賞をもらってのスピーチを考えているはずの作家が、その席で亡霊病を発症する。
この亡霊病という奴は・・・あああ・・・面白いし、思いつかない。

ラストのいかにして私がピクニックシートを見るとくすりとしてしまうようになったのか(なんて長いタイトル!)も、試着室に入ったきり出てこない人(!)の話なのだが、最後思いもかけない展開がそれはそれは楽しませてくれる。
もしかしてあったかもと思わせてくれる一品だ。