世界の果ての庭 (ショート・ストーリーズ) (創元SF文庫)世界の果ての庭 (ショート・ストーリーズ) (創元SF文庫)
(2013/04/26)
西崎 憲

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評価 5

もう本当に本当に大好きな世界だった。
この話がもっと続けばいいのに!とラスト本を置く時に思ったのだった。

話は短い話が連なっている。
掌編なのだ。
そしてそれぞれの話が非常に心に残りわくわくさせられる。

5つの話が繰り返し音楽のように流れ出てきて、一つの小説の形になっている。
・アメリカ人の学者とであった女流作家の話
・若返る病になった(ベンジャミンバトンみたい!)母が、家を捨てたのに突然戻ってきてそして若返っていく話
・深川に出る謎の辻斬りの話
・果てのない階段があり、巨大な駅でさまよう脱走兵の話(これが一番好きだった)
・光と影で織り成す理想の庭園の話

この中で脱走兵の話は、死後の世界であるようにも見えるのだが、イマジネーションをかきたてられるような絵画的な作品だった。
上に行ったり下に行ったりこの世界を探っていく脱走兵がいて、謎の列車が来たり、トンネルの中に入ると二度と入る気が起こらないとか、巨大な駅にぽんと置かれたアイテムがあったり(食事とかその他もろもろ)、この話のみ独立して書いて欲しい気すらしたのだった。