2013.06.23 GATACA
GATACA(上) (ハヤカワ文庫NV)GATACA(上) (ハヤカワ文庫NV)
(2013/05/24)
フランク・ティリエ

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GATACA(下) (ハヤカワ文庫NV)GATACA(下) (ハヤカワ文庫NV)
(2013/05/24)
フランク・ティリエ

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評価 5

それはそれは面白かった!
超絶に私の好みの小説だった。
読み終わってから、前編から読めばよかったなあ(「シンドロームE」)と思ったけれど、とりあえず作者もここからでいい、と序文で書いていたのでここから読んでみたのだが・・・
二人の傷心の男女の造詣が素晴らしいし、タグを組んで一見回答不能な事件に当たっていく様が実に読ませる。
話もネアンデルタール人から人類の進化、DNA、左利きの秘密、左右差、連続殺人犯の奇妙な共通点と、どこもかしこも私を魅了させた。
人類のルーツ、の秘密なんだろうか。
暴力衝動というのはどこから来ているのだろうか。
暴力は古代からいかに広まってきたのか、そしてそれは遺伝なのか、その時々の文化なのか。

これを紐解いていく時に、強烈なモチベーションになるのが、わが子を殺されたリューシーの復讐の怨念のようなものだ。
ここが読んでいて拳を握り締めるほどわかる。
アマゾンの内部で文明人が行ったことの描写もすさまじい。
ここらは本書にもあるけれど、闇の奥ひいては地獄の黙示録を思い出した。

最後猿に殺されてしまったが(と思われているが実は色々ある)女子学生の辿ったルートを遡上していって、そこで実に色々なものを見つけていくのだった。
この話、べったりリューシーとシャルコが一緒に謎をといていくと言うタイプのものではない、そこもまた魅力的だ。
どちらも別の方向からといていくのだ。
この二人の仮説が合わさった時に、一つの結論が生まれていく、そこがまた非常に面白い。

双子の娘を変質者に誘拐され片方を殺されてしまった元女性警察官のリューシー。
彼女は残された一人の娘を母に預けながら、なぜか突然自分で動脈を裂いて死んでしまった娘を殺した殺人犯のことを追う。
なぜなら、彼の死は不可解で、刑務所の独房の中には上下さかさまのわけのわからない風景が描かれていたのだった。
一方、元リューシーの恋人のシャルコ(男性)は、ある研究所でチンパンジーがいきなり一人の女子学生を殺した
らしいと言う事件に遭遇する。
この二つが合わさる時に・・・・・


以下ネタバレ
・リューシーの双子の娘は両方とも殺されていた。
それをリューシーは一人のみ生きていると心の中で上書きし、母に預けていることにして心の均衡を保っている。
これが途中で母の叫びによってわかるのだが、全くここまで娘の一人は偶然生きているのだなあと思っていたので驚愕した。