ミステリとしての『カラマーゾフの兄弟』―スメルジャコフは犯人か? (ユーラシアブックレット)ミステリとしての『カラマーゾフの兄弟』―スメルジャコフは犯人か? (ユーラシアブックレット)
(2013/05)
高野 史緒

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評価 4.9

冊子だし、論文のようだけれど内容的に非常に面白く、ぐいぐい読み終えたのだった。
ドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟をミステリとして読み解くというのが中心の話だ。
時系列に彼らの動きを並べたり、場所的なことでどこがモデルから始まりだからこうなのだと推理したり、謎の3000ルーブルの謎を全方向から俯瞰したり、またスメルジャコフのサイコパス性という視点も大変面白かった。

ただ、この冊子、高野史緒のカラマーゾフの妹を読んだ後に読むのがいいのだと思う。
あれと重なっている部分が多いので、もし小説を楽しもうと思ったらこれでネタバレのようになってしまうから。

これを手にもう一度カラマーゾフ全体を見てみたい。
最初の所にある家系図も見入ったのだった。
またラストの江戸川乱歩の目で読み返すドストエフスキーで乱歩と木々高太郎の二人のこの小説に対するスタンスの違い、というのも大変面白かった。