ゴドーを待ちながら (白水Uブックス)ゴドーを待ちながら (白水Uブックス)
(2013/06/18)
サミュエル ベケット

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評価 5

これを舞台で見る機会がないので、是非是非見てみたいのだが・・・・

長い間の時を経ての再読で、どこの部分が自分にとって残っているのかというのも興味があった。
私が強烈に覚えていたのは、冒頭部分でエストラゴンが足が痛い靴を脱ぎたいと騒ぎまくっている部分だった(何しろ冒頭だし印象深い)。
読み返してみると、足に対する痛いと言う発言はあちこちで見ることが出来る。
また、一人の少年がやってきて明日ゴドーが来るから、と言って去っていく部分も覚えていた。
更に、ポッツォの召使のラッキーの意味のないようなだらだらした言葉の羅列を言った部分も覚えていた。
またポッツォがなぜか盲目に突然なっていた、と言うのも覚えていた。

こうしてみると、一見二人(エストラゴンとヴラジミール)がゴドーと言う人を待っている物語、ではあってしかも登場人物が異常に少ない物語でもあるのだが、その少ない登場人物は実に印象深いのだ。
誰一人無駄な人がいない。
そして、昨日会った、今日会ったというのが全て曖昧模糊の世界になっていって、昨日は一体いつだったのか、明日は本当に今から見ての明日だったのか、と混沌としてくる。

男の子は一体誰だったのか。
ゴドーの使いと言いつつも彼の言っていることもまた信用がならない。
ポッツォの二人組も何物だったのだろう。
その前に、ゴドーは一体誰なのだろう、神と見るのはたやすいけれど、この二人の浮浪者が待ち続け暇つぶしに首吊りまでしようとして待っているゴドーとは一体・・・・

ここには一切ゴドーのことは描かれていない。
どういう風貌かも書かれてないし、どういう関係性なのかも一切触れていない。
それは読者に委ねられていて私達は、この二人の悲しくもおかしいやり取りを、不毛に思いつつ実は読み込んでしまうというジレンマに襲われる。