2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:24冊
読んだページ数:8347ページ
ナイス数:321ナイス

切り裂きジャックの告白切り裂きジャックの告白感想
内臓がごっそり抜かれた連続殺人が起こる・・・・ちりばめられたフェイクがたくさんありましたが・・・・ミステリ部分は誰が犯人かよりも(比較的想像の範囲内で驚きは少ない)、動機が気になりました。最後動機が分かりましたが・・ううん・・・ それよりも臓器移植のテーマの部分に引き付けられました。医師と宗教家との論戦が読ませました。また、臓器移植をされた人間が「真っ当に生きる、無駄遣いのない人生を生きる」ことを世間的に要求される、と言う話も、なるほどなあ・・と思いました。(カエル男の古手川刑事が出てきて、お!)
読了日:7月30日 著者:中山 七里
崩壊家族 (ヴィレッジブックス)崩壊家族 (ヴィレッジブックス)感想
冒頭、隣の家に女の子といちゃいちゃするために忍び込むという17歳の少年が一転、事件目撃者になると言う悲劇が、更に犯人にさせられるという悲劇が心を掴みます。ちょっと癖ありの父親ジム、温和そうに見える母、そして古いパソコンを集めると言うことから始まった一つの悲劇。 誰もが大きかったり小さかったりの嘘をついていて、その嘘が思わぬ方向に転がっていきます。平穏な家族と見えたものの裏側も徐々に暴かれていきました。
読了日:7月29日 著者:リンウッド・バークレイ
夢幻花(むげんばな)夢幻花(むげんばな)感想
読ませるし、真相も面白かったのですが、一つの物語の中に「偶然」というのが多いような気がしました。
読了日:7月29日 著者:東野 圭吾
世界を回せ 下世界を回せ 下感想
怒涛の感動のうちに終了。これって、「今の」視点で読んでいると更にぐっときます、あのツインタワーはもうないんだ、とか、ベトナム戦争への評価とか、ジョシュアがやっていた(やろうとしていた)パソコンとネットの時代になったんだ本当に、とか。何しろ小さなエピソードの一つ一つも丁寧に描かれ、地下鉄内の署名を探すエピソードとか、クレアが自分が富裕層なのに罪悪感を持っておろおろするエピソードとか個人的には大好きでした。 ラスト、良かったなあー。
読了日:7月27日 著者:コラム・マッキャン
世界を回せ 上世界を回せ 上感想
とても素晴らしかった!群像劇でした。ツインタワーの間のワイヤーをわたろうとしている男性の話から始まり、一つの軸は、修道士の弟の物語で、そこから派生して、娼婦、事故の相手、ベトナム戦争で子供を失った女性、とどんどん繋がっていきました。読んでいて進める手ももどかしく読みました。映像化されるそうですがどの場面も実にリアルに脳内で映像を結び、アルトマンの映画のようでした。下巻に続く。
読了日:7月27日 著者:コラム・マッキャン
幻坂 (幽BOOKS)幻坂 (幽BOOKS)感想
怪談話だけれど面白く読みました。怖くはないけれど、人間の業、あちら側とこちら側の境目、とか色々思うことはありました。写真があったので想像しやすく良かったのですが、もっと土地勘がある人のほうがより楽しめただろうなあ。 舌のざらつきが感じられるほどぞくっとした口縄坂の猫の話が印象に残りました。
読了日:7月27日 著者:有栖川有栖
ランチのアッコちゃんランチのアッコちゃん感想
色々な意味を含みつつ「軽い」小説。ポトフが美味しそうです。
読了日:7月27日 著者:柚木 麻子
ゴドーを待ちながら (白水Uブックス)ゴドーを待ちながら (白水Uブックス)感想
年を経て再読してみると、二人の人間がゴドーを待ち続ける話、ではありますが、二人の人間と絡むほんの数人の人とのやり取りも非常に印象深い戯曲でもありました。ここでは過去と未来が混沌とし、信用できない語り手が跳梁跋扈し、言葉の端々が何かのメタファーであり、そこにシニカルな笑いがぶち込まれる。読む者に一種の不安感を残し、劇は終了します。 (今回、訳注をよく読みましたが、そこもまた面白かったです)
読了日:7月24日 著者:サミュエル・ベケット
ミステリとしての『カラマーゾフの兄弟』―スメルジャコフは犯人か? (ユーラシアブックレット)ミステリとしての『カラマーゾフの兄弟』―スメルジャコフは犯人か? (ユーラシアブックレット)感想
大変面白かったです、期待以上でした。冊子のつくりの短い文章ですがそれは奥深く切り込んでくれています。 最初の家系図に始まり、事件の起こった時系列、証言と実際の現場との違い、撲殺の方法の罪と罰との違い(ここも個人的には面白かった)、そしてラスト乱歩と木々高太郎のこの小説に対するスタンスの違い、と内容もスリリングで多岐にわたっています。 ただ、同作者のカラマーゾフの妹を事前に読むことは必須だと思われます、重なっていますので(原作は勿論、なのですが)
読了日:7月24日 著者:高野 史緒
夏の日のぶたぶた (徳間文庫)夏の日のぶたぶた (徳間文庫)感想
デュアル文庫プラス分を読むために再読しました。ぶたぶたさんシリーズでこれが異色と思うのは、ぶたぶたさんありきが当たり前の世界ではなく、ぶたぶたさんが知られていない世界だからなのだと思います。他の本では結構初めての人以外はぶたぶたさんがしゃべったり動いたりするのを受け入れている世界なのに、ここではお父さんの前でぬいぐるみになったりしている・・・・・。ラストのプラス分は楽しみましたが、ちょびっと物足りないぶたぶたさんかも。
読了日:7月24日 著者:矢崎存美
ジェリー・フィッシュジェリー・フィッシュ感想
色彩に満ち溢れていた小説。高校生の危うさ、自意識、無意識にしてしまう行動などこちらにひしひしと伝わってきました。特に最初の章の水族館のくらげのシーンの美しさは絶品でした。あとこれに呼応している最終章も良かったなあ。 やや引っかかる文章と言葉がありましたが、それでもなお、読ませるだけの力があると思います。
読了日:7月24日 著者:雛倉 さりえ
晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)感想
大好きな本が文庫本になりました。プラスの番外編もついているので早速拝読・・・やっぱりキュートで可愛い物語。いとこの司書さんがいる図書館に通うのが大好きな小学5年生の女の子しおりちゃんの話ですが、児童書と侮るなかれ。ここには厳しい現実も描かれているのです、しおりちゃんの家庭状況とか、図書館にやってくる人達の生き方とか。日常の謎、とともにそういうところも同時に味わうと面白い小説だと思います。 最後の番外編、痛快に騙されました!あと帯の北村薫の言葉にあるように、ある男の子の心理中心に読むとそこもまた楽しいです。
読了日:7月24日 著者:緑川聖司
友罪友罪感想
一つの重い命題を突きつけられる一冊でした。必ずや読後、(自分だったらどうか?)というのを考えさせられる一冊だと。 「過去の重さ」ということと、そこから抜け出そうとしても取り返しのつかない男女二人が印象的でした。また更正ということそのものも考えました。この中で益田の葛藤が一番よく描けていたように思います。
読了日:7月24日 著者:薬丸 岳
ジェイコブを守るため (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)ジェイコブを守るため (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
ものすごく面白かった!数日考え込むほどはまりました。自分の愛する息子ジェイコブが殺人犯にさせられてしまった!物語はそこから始まります。家族愛の物語でもありますが、見事なスリラーでもあると思います。法廷場面も緊迫感があり、両親の葛藤も読み応えがあり、またある重大ない秘密が影を落とし。しかもこの本全体に実に巧みな企みがなされていて、一気に読みました。ラスト、ただただ茫然自失。
読了日:7月15日 著者:ウィリアム ランデイ,William Landay
美しい心臓美しい心臓感想
女性が一生に一度出合うか出合わないかの愛であり、相手が死んでしまってもいいから自分のものにしたいくらいの愛、という心情は全編を通じて痛いほど分かりました。刹那とわかっていてカウントダウンに向かっている旅行先の一こま一こまも、そしてそれが傍から見ると薄汚い不倫という言葉になってしまう落差に愕然とする気持ちも。 そのあたりの描き方はお見事だと思います。 ただ・・・・関西弁の(調子よく見える)男の魅力が私にはわかりませんでした、この人がもうちょっとどうにかなっていたら、至高の恋愛小説になっていたのに。
読了日:7月15日 著者:小手鞠 るい
パウリーナの思い出に (短篇小説の快楽)パウリーナの思い出に (短篇小説の快楽)感想
とても読みやすい短編集で色々な味が楽しめました、基本は幻想ですが。この人がSFとかミステリ(サスペンス)的なものを書くというのに驚きました。 短編集なので好みはありましたが、最後私にとってはうっちゃりをくらった表題作、外枠があり手記がある雪の偽証、SFなんですがその描き方が幻想という大空の陰謀、あたりかなあ。 ただ・・・ここで言うのも無粋ですが、モレルの発明の世界観、物語観のほうが私は衝撃度が高かったです。
読了日:7月15日 著者:アドルフォ・ビオイ=カサーレス
一の悲劇 (ノン・ポシェット)一の悲劇 (ノン・ポシェット)感想
誤認の子供の誘拐。身代金受け渡し・・・天国と地獄(映画)を思い出しました。面白かった。これで決まりと思いきや二転三転の転がり方を楽しみました。特に、アリバイ工作とトリックと、きわめつけはあのダイイングメッセージ、無理矢理感はあるものの私は驚きました、だからか、だからなのか・・・。
読了日:7月9日 著者:法月 綸太郎
素数たちの孤独 (ハヤカワepi文庫)素数たちの孤独 (ハヤカワepi文庫)
読了日:7月9日 著者:パオロ ジョルダーノ
ゴーン・ガール 下 (小学館文庫)ゴーン・ガール 下 (小学館文庫)感想
まず下巻の最初のページから驚愕、ええええええええええー。えええええーと言いつつ読み、そしてまた自分の心があっちに行ったりこっちに行ったり。この二人の言い分の間で翻弄されるのが分かりました。ここで真相はすぐに分かるんだけど、それがメインではなく、ここからの二人の心模様、周りの人の反応、そしてラストに向かってのもう一山と目が離せません。ある人物の最後の告白にも驚きが!歪んでいる人たちが素敵でした。なんて嫌な話なんでしょう、と最後褒め言葉を。
読了日:7月9日 著者:ギリアン フリン
ゴーン・ガール 上 (小学館文庫)ゴーン・ガール 上 (小学館文庫)感想
イヤミスの極北。大変面白く読みました。最初の妻の頭の描写、印象深いだけありました・・・・。 夫婦が交互に語っていって、上巻では時がずれているので、妻の日記の方を読んでいるとけなげで身につまされ、一方で夫の方の現在の描写を読んでいると、なんだか怪しい、失踪した富裕な美人妻は本当に失踪なのか、と私ですら疑惑の目を向けていました。お互いの感情がすれ違っているのを第三者として読む楽しさがあります、下巻に続く。
読了日:7月9日 著者:ギリアン・フリン
激流〈下〉 (徳間文庫)激流〈下〉 (徳間文庫)感想
一気読み。35歳になって、いろいろな人生で生きている同級生達の人物造型が牽引力になります、勿論ミステリ部分も。 ラストは私はあと一歩と思いました、動機というのが書いてはあるけれど、見えてこなかったから。あと、ある人の心の闇は私は今一つ理解できなかったかなあ・・・
読了日:7月8日 著者:柴田 よしき
激流〈上〉 (徳間文庫)激流〈上〉 (徳間文庫)感想
中学生時代に自分と同じ班で京都の修学旅行を回っていた女子が行方不明でそのままいなくなり、35歳になった時に彼女からメールが来る。こんな魅力的な謎から始まるミステリです。わくわくどきどき。なんでいなくなったのか。このメールは本当に彼女からなのか。だったらなぜ今? 35歳になった当時の同じ班の人たちの人間模様とともに楽しみました、下巻に続く。
読了日:7月8日 著者:柴田 よしき
愛に乱暴愛に乱暴感想
ネタバレに注意して感想を読んだ方がいいと思います、その仕掛けが面白いのですから。あるところで、あ!となってその部分を読み返してなるほど!と。そこも面白いのですが、主人公桃子の尋常ではない狂気部分が読ませました。ただラストがあと一歩・・・
読了日:7月2日 著者:吉田 修一
双眼鏡からの眺め双眼鏡からの眺め感想
表題作が衝撃的で忘れがたいのと、戦時下のロンドンで難民救出をしている女性の話一連が印象に残りました。テスのラストにも項垂れました。
読了日:7月2日 著者:イーディス・パールマン,Edith Pearlman

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