2013.10.02 紙の眼
紙の眼 (講談社ノベルス)紙の眼 (講談社ノベルス)
(2013/09/05)
大山 尚利

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評価 4.4

日常を切り裂く短編・・・
あるなんてことはない日常生活から始まる。
それはちょっとした疑問で始まり、たとえば
・それがポスターに貼られた眼とか
・誕生日パーティーで幸せな結婚生活の基盤になったキュービッドの置物の秘密とか
・同級生の葬式に呼ばれたのになぜかまったく同級生全員を覚えていないとか
・屋上に呼ばれたプロレスの人たちがそこで出会ったものはとか
・意味のわからない鉄柱に貼り付けられた人の顛末とか

どれも読んでいてひきつけられる。
そしてインパクトもそれなりにあるのだ。
SFとホラー小説の中間層ぐらいにあたるのだろうか。
ただ、オチ、のようなものがあるものもあるのだが(濡れた喪服)、オチはいらないんだと私は思った。
オチがあれば安心する。
でも話が更に突き抜けるためには、何もオチを用意せずに不意打ちで終わるという勇気も必要あったのでは。

この短編小説群、嫌いじゃない。
もうちょっと何かがつんとするものがあれば、もっともっと高みにいけると思うのだが・・・