リバーサイド・チルドレン (ミステリ・フロンティア)リバーサイド・チルドレン (ミステリ・フロンティア)
(2013/09/11)
梓崎 優

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評価 4.3

微妙だった。
期待値が高かったせいだろうか。
延々とカンボジアのストリートチルドレンのごみをあさる話を読んでいて、(なんでこの陰鬱な話を読んでいなくちゃならないんだろう、私)と途中で眩暈がしてきた。
こういう子供が実際にもいて、これに目を向けなくてはいけないというのはわかっていても、だ。
社会派ということならわかる。
けれど、これはミステリであって、ミステリのバックグラウンドとしてそれがあるはずなのに、なぜか延々とストリートチルドレンの話が続いていく。
更に、途中でいくつかこれまた陰惨な殺人事件が起こる、しかも子供たちの。
少女売春、観光立国の光と影、ストリートチルドレンの生まれる背景、子供たち同士の軋轢、警察の腐敗、そのあたりがでは胸に迫るように描かれているかといえば、ここまた微妙だった。
これが合う人がこの小説世界を堪能できるのだろう。

良いなあと思ったのは、夢を見ることでしか生きて行くことができない少年が自分自身についた嘘(友達へのあだ名とか警察にそれは出ている>フラワーとか黒とか)だった。
ここはとても美しいなあと思った。

以下ネタバレ
・私が一番驚いたのは、真犯人ではなく、ソム兄さんの実態だった。
足がない!鉄パイプは歩くためにある!話せない!!
ここは驚いた、実際を少年が語るまでわからなかったから。

・ところで、この語っている少年そのものが日本人であり日本人の父から棄てられているのだが、ここがすでにほぼありえない・・・と心で思ってしまうのでこのあとの展開が実に頭に入りにくい。
この経緯が語られていることからだけでは(少年が父の語っているのを盗み聞きする)よくわからない。
またNPO法人の人はこのあとどうしたんだろう。
日本大使館は動いてないのか、人一人カンボジアで失踪しているのに。

・死体を赤面させるために赤で塗ったというのも・・・子供っぽい発想といえばそれだけだが・・・