2013.11.11 すいか
すいか 1 (河出文庫)すいか 1 (河出文庫)
(2013/08/06)
木皿 泉

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すいか 2 (河出文庫)すいか 2 (河出文庫)
(2013/08/06)
木皿 泉、山田 あかね 他

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評価 5

とっても心打つ脚本だった。
連動してDVDも見ていて、そこで聴いた言葉で(これはもう一度聞きたいなあ・・・)と思う言葉が、こうして文章になっているのを見るのは本当にうれしい。
今で言うシェアハウスの話で、それこそたわいのない日常だけれど、それを描くと言うことは難しいと思う。
この脚本にある言葉の数々を私は忘れないだろうし、折々に思い出すだろう。

ハピネス三茶という下宿屋さんに集まる人たち。
それぞれが色々な事情の下集まってくる。
・教授と呼ばれる大学教授の女性
・お父さんから下宿屋を任され、ご飯作りにいそしむ学生のゆかちゃん(お母さんがかつて家出していた)
・双子の姉が死んで、それを引きずりながら生きてエロ漫画家として独立している絆
・母子一体の生活からなんとか脱出した信金のOLの基子(同僚馬場ちゃんが三億使い込みで逃走中)

特に、基子(もとこ)のありようは強烈だ。
重ね合わせるように、普通の生活を捨てた馬場ちゃんが出てくる。
日常をやむを得なく続けている基子。
昨日と今日が一緒のような気がしてくる基子。
自分の20年後を想像して煮詰まる基子。
分離されていない母親がしばしば乗り込んでくる基子。
しかし、ここで馬場ちゃんが最後のほうで強烈な一撃を語ってくれる。
梅干の種を見て、こんなことを3億のために捨てたのかと。
こんな日常を私は捨てたのかと。
水を植物にあげること、毎日ご飯を食べること、掃除機の音、食器が重なり合う音。そんなことを全て捨てたのか、私はと。
ここに一番ぐっと来た。

その後、の皆の姿のおまけの話もまた面白かった。