2013.11.11 キャリー
キャリー (新潮文庫)キャリー (新潮文庫)
(1985/01)
スティーヴン キング

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評価 4.9

初めて読んだのだが、私の思っていた話と全然違った。
私が思っていたのは、オカルトめいた話だ。
そこにホラーが加わる、みたいな話だ。
でも実際は、学校の中で強烈ないじめにあった少女がある能力に目覚めていきそののち・・・というのを克明に描いた物語だった。
更には、この少女キャリーの母親が絶対君主のようにキャリーの頭の上に存在し、強烈な狂信者だということも加えることが出来よう。

書き方として面白いと思ったのは途中途中で、このキャリーの引き起こした事件を語っている色々な本、または記録が挟まれているということだ。
最初読んだ時に、一気にキャリーの話が進まないので、いらっとしたものだ。
ところが途中でこの間に挟まった本の数々、記録の数々の何気ない一言から、何かの事件が起こった、ということがまずわかり、そのあとにそれがプロムだということがわかり、最後にこの死者の数は・・と書いてあるところで腰が砕けそうに驚いたのだった。
だから、この何気ない一言(記録とか本の)で、読者は最初にこの事件の全容を知って行くのだ。
それに遅れてキャリーの話がついていくと言う形だ。
実にぞわぞわとさせられた。

初めての生理が始まって混沌としている中、女子全員に意地悪されるキャリー。
母親に始めて反抗するキャリー。
部屋の中でテレキネシスの練習をするキャリー。
人気者の男の子にプロムに誘われて有頂天なキャリー。
そこでキングクイーンに選ばれて更に幸せなキャリー。
しかしそこでぶち壊しにしてくれる豚の血が頭から振ってきた・・・

このあとの町の崩壊具合がすさまじい。
何もかも壊れめちゃくちゃになり、キャリーの歩くところに死体がどんどん出てくるようだ。
怒りをためるということ、理不尽な世界からの脱出、それが彼女のこの原動力になっている。