その鏡は嘘をつくその鏡は嘘をつく
(2013/12/11)
薬丸 岳

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評価 4

医療従事者、特に医者になろうとしている者達の暗部を描いた作品だった。
医者になろうとしている者、ならざるを得ない者、そして現役の医者と色々な立場の人が出てくる。
この中で一人の現役の医者が殺される(最初は自殺と思われるが)
彼は痴漢の容疑者としてつかまるが釈放された、それなのになぜ・・・

伏線は色々あって、冒頭がなんだかわからない一人の若い男性への暴行に始まる・・・これが最後にどう繋がっていくのか、と言う興味はあった。
・志藤検事は、外科医須賀を釈放はするがそのあと自殺。その自殺を疑い再捜査を警視庁に依頼した。
・東池袋署の夏目刑事は検事の捜査とは別に独自の捜査を行っていた。
この二つの視点が交錯し、真実と虚偽が交叉する。
一気には読ませる。
が。
登場人物に魅力が薄いように思った、私は。
どの人にも共感が持てず、最後だれが犯人だろうとどうでもいいという気持ちにまでなってしまったのだ。
夏目刑事の部分と志藤検事部分があるが、夏目刑事はともかくも、志藤検事が今ひとつ人物像が浮かんでこなかった、この人は正義の人なのか、それとも・・・・
笹本とはどういう人なのか、これもまたよくわからなかった(途中でわかる)

また、予備校教師峰岸彩子の立ち位置もよくわからないし(これだけの予備校の生徒との関係性を築く過程がなく事実だけなので飲み込みが薄くなる)
突然医学生のための予備校を辞め花屋になった人の話はわかったようなわからないような、だったし、
肝心の女性予備校教師の意外な過去というのがあまり意外でもない気もしたし、
沙紀ちゃんと従兄弟の関係性も今ひとつ把握できなかった(仲がいいのはわかるのだが)。

何より殺された須賀が、殺されるに至ったあること、が、(そんなことをさせるか?)という疑問が渦巻くものだった。
突っ込みどころはそれはそれはあった作品だった。

以下ネタバレ
・須賀は、自分が医科大への便宜を図ってあげる代わる条件として、自分が可愛がっていた動物を外科の手術と称して縫い合わさせる。
そして失敗させ自分が医者に不適格だと言うことを認識させる。

・須賀は、予備校教師の峰岸彩子と関係を持つ。
それは、彩子が裏口入学と言う事実と、過去に幼児手術失敗と言う弱みを握っていたからだった。

・須賀に痴漢冤罪の罪を着せようとしたのは
両親から医科大合格のプレッシャーを受け続けている医科大予備校の幹夫。
彼が同級生の女性を使って痴漢と言わせた。